「アラジン」の元ネタである「アラジンと魔法のランプ」の世界を再現するため、建築や装飾、衣類など細かく中東諸国の文化が取り入れられています。
きらびやかで幻想的、カラフルでエキゾチックな世界観が映画の中では見事に表現されていました。
キャストは約2,000人の中から大抜擢
ジーニー役のウィル・スミスこそ大御所俳優ですが、メインキャラクターであるアラジンとジャスミンは無名の新人でした。
1年以上かかったといわれるオーディションで見事勝ち抜いたのが、アラジン役のメナ・マスードとジャスミン役のナオミ・スコット。
ナオミはシンガーソングライターとしても活動しており、2人ともノンキャリアとは思えない、堂々とした演技を見せつけてくれました。
実写版とアニメの違いとは?
より強く、よりたくましいジャスミンに
ジャスミン・ジーニーの2人には主人公のアラジンに負けない存在感の強さがありました。そこをもう少し掘り下げてみましょう。
特にジャスミンはアニメ版でヒロインとして描かれていますが、実写版の方がより強くたくましく見えます。
具体的には下記のような点でした。
女の国王になる
アニメではアラジンがジャスミンと結婚して、アラジンが国王となりました。
これは「白馬の王子様」に出会った女性が男性を支えていくという、まだ男尊女卑が当たり前のスタイル。
ですが、実写版では真逆の結末となりました。
ジャスミンが王家の血を引くものとして、国民の生活を目の当たりにしたうえで「自分で世の中を変えたい」と立ち上がったのです。
大黒柱となるのは男性だけではなく、女性にもその権利があるもの。
男女平等が当たり前とされている今だからこそ、ジャスミンをより賢く強く描いています。
女の武器といわれる「色仕掛け」で誘惑しない
アニメ後半では、ジャファーの意識をそらすためにジャスミンがキスをしたり誘惑するシーンがありました。
これはme,too運動などで女性の権利を尊重するのが主流となっている現代ハリウッドではブーイングもの。
実写版では女であることを武器とせず描いたこと、自分の意志で社会を変えていこうとすることを象徴しています。
そしてジャスミンを時代に見合った女性の象徴として演出したことが好評を博しました。
アラジンのおもしろトリビア
アラジンが逃れる「ワン・ジャンプ・アヘッド」のラスト
アニメとの違いはジャスミンに関してだけではありませんが、ここではもう少しラフなおもしろトリビアを紹介します。
まずは街で盗みを働くアラジンがジャスミンと出会い、兵隊から逃げ回る冒頭のシーンです。
ここで、アラジンがどんな場所でどんな生活をしているのかがよくわかります。
上下左右に家や障害物を飛び越えたり、布でできた屋根がクッションになったりと、アクションシーンに魅せられる場面。
アニメでは最後に兵隊が肥溜めに突っ込んで終了となっていました。
さすがにこのシーンは再現するのはNGだとなったのか、実写版ではジャスミンと2人で手を取り合いアラジンが逃げ切っています。
これから物語が始まるワクワクを感じさせるシーンでしたね。
ジーニーの登場曲「フレンズ・ライク・ミー」でウィルの自信がアップ!
ミュージカルシーンも大きな魅力の「アラジン」。実写版では歌詞や曲調を新たにして、よりパワーアップしました。