みずきの両親はショックのあまり村を去りました。
このことからも両親がとても妹のことを可愛がっていたことが分かります。
みずきの心の中で「親に怒られたくない」「失望されたくない」という感情が先に立ってしまったのかもしれません。
それに加えて雪深い山間の集落という閉鎖的な環境がみずきの口を塞がせた一因になった可能性もあります。
村の噂はすぐに広がるでしょう。みんなに知られたら暮らしていけないはずです。
8年前妹を突き飛ばした罪はみずきの一生を完全に狂わせました。
みずきの罪責は?
妹にちょっと痛い目を見せるだけのつもりが、死なせてしまう結果になったみずき。
殺すつもりはなかったのでしょうから殺人罪ではありません。
しかしみずきの行動が妹の死を招いたのは明白です。ですから暴行罪だけで済む話でもありません。
もしみずきが妹を突き飛ばさなかったら妹が死ぬことはなかったでしょう。
みずきが突き落としたことが妹の死と関係があると考えると傷害致死という罪を負うのが妥当だと考えられます。
傷害致死罪が適用されれば、みずきは3年以上の懲役になるはずです。
山尾の刑は重すぎ?
8年間の刑期を終えてやっと出てこられた山尾。本人はもっと早く出てこれると思っていたようです。
山尾の犯した罪
刑務所に入れられる原因となったのはみずきの妹をひき逃げしたこと。そして飲酒運転とスピード違反、しかも免停中でした。
妹をひき殺されたみずきは山尾のことをまだ憎んでいると面と向かって伝えている通り、山尾の罪は許されるものではありません。
本当なら5〜6年で済むはず
反省もしていますし、そもそも道路上に人が倒れているなんて予想できなかったはずです。
暗い山道に倒れている人間を避けろというのも難しい話でしょう。
山尾の犯罪を実際の判例に照らし合わせると懲役5〜6年が相場だといえます。
そう考えると山尾が8年間収監されていたのは、ちょっと刑が重いのではないでしょうか。
刑期が長くなった理由
山尾だってみずきの妹をひき殺そうとしてやろうと思っていたわけではありません。
たまたま道路上に倒れていたからひいてしまったのです。殺すつもりはなかった場合、罪は軽くなる傾向があります。
しかし山尾の場合、飲酒していたことが刑を重くする要因になりました。
当時の法律は飲酒が原因で起こした犯罪に対して厳罰化をすすめる時期でもあったのです。
それまでは5〜6年の刑期で済んでいたものが8年に延びた背景には時代の流れも関わっていました。
このような社会の変化を映画にしっかりと反映して制作されたことが分かります。
「言葉は刃」の真意
スノーモービルで事故を起こした責任について元太と光彦が口論していました。
互いに相手が悪いと主張する2人に向けてコナンが発した名言に感動した人も多いのではないでしょうか。
言葉は刃物なんだ。 使い方を間違えると、厄介な凶器になる。 言葉のすれ違いで、一生の友達を失うこともあるんだ。 一度すれ違ったら、二度と会えないかも知れねえぜ
引用:沈黙の15分/配給会社:東宝
8年ぶりに集まった同級生5人。ダム建設によって自分達の村が水の底に沈められた彼らの絆は本来固いはずです。
しかし8年の歳月を経た彼らの心には憎しみが渦巻いていたのでした。