少年探偵団や日本の未来を担う2世・3世の垣根を埋めるのが、この「コクーン」と呼ばれるゲーム機でした。
最初は対立するこの2組の子供達が大人の力を借りず、どう協力して事件を解決していくのか?そこがこの作品の一番の見所なのです。
立場が違う子供達をどう結びつけるか?それが子供が大好きな“ゲーム機”というものを使う方法だったのです。
親子の絆・子供達の絆
「ベイカー街の亡霊」では少年探偵団を始め、子供達が異次元のような世界で大活躍します。
コナンや蘭、哀、そして少年探偵団の絆の深さを感じられる作品です。
そして、同時に新一や優作を始めとする親子の絆を感じられる作品でもありました。
現代社会を風刺した物語
対立する2組の子供達ですが、次第にその心境にも変化が出てきます。
生意気な2世3世の子供達が改心していく姿は見ていてスカッとするものがありました。
どんなに境遇が違っても子供は子供。
立場がどんなに違っても同じ人間な事には変わりないんだよ、という壮大なテーマが込められているようにも感じます。
いじめが社会問題になっている昨今、これはただ子供達が力を合わせて事件を解決していくだけの物語ではありません。
親の力に甘えてはいけないよ、という子供達を“叱咤激励”する物語でもあります。
またそんな子供達を育てた親達への壮大な“お説教”の意味が込められた物語なのです。
同時に親や子というものはあって当たり前じゃないという現代社会への強いメッセージ性を持った作品となっています。
人を信じる力
少年探偵団や哀が消えていくシーン、そしてコナンを助ける為に蘭が滝に身を落とすシーンは心打たれる切ないものがありました。
ダメよ工藤くん諦めちゃ。お助けキャラがいないなら私たちにとってのホームズはあなた。あなたにはそれだけの力がある。ホームズに解けない事件はないんでしょ?
引用:名探偵コナン ベイカー街の亡霊/配給会社:東宝
この台詞に全てが詰まっていると感じます。
少年探偵団も、哀も蘭も皆、コナンの事を信じています。
そして困難に立ち向かい危機を乗り越えながら他の子供達も同時に人を信じる力を蓄えていったのです。
少年探偵団の絆はより強固に、そして立場が違っても助け合う力、人を信じる諦めない力を子供達は一緒に育んでいきました。
秀樹の心情
最初は子供らしからぬ生意気な面を見せる秀樹ですが、その心情にも次第に変化が表れてきます。
その秀樹の心情の変化が意図するものとは何だったのでしょう?
小生意気な子供
自分勝手でゲームが始まる前には会場で人目も気にせずサッカーをしたりする生意気な子供だった秀樹。