出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07YV3ZD15/?tag=cinema-notes-22
脚本家の岡田麿里、監督の長井龍雪、キャラクターデザインは田中将賀の3人が結成したチーム「超平和バスターズ」が送る最新作。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」「心が叫びたがってるんだ」に続く、秩父3部作の3作目「空の青さを知る人よ」です。
登場人物は秩父に住む両親を亡くした2人の姉妹、姉のあかねと妹のあおい。
高校卒業時から音信不通で13年振りに帰郷する、かつてあかねのバンド仲間であった慎之介。そして突如現れた18歳の慎之介(しんの)。
この4人の想いや希望が交錯する青春ラブストーリーです。
本編で語られていなかった、あかねや慎之介にとってガンダーラとは何を意味するのか、空の青さを知る人は誰なのかを考察していきます。
井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さ(深さ)を知るとは
諺の前半「井の中の蛙大海を知らず」は中国から伝わった「荘子 秋水篇」が由来とされており、後に日本で諺となりました。
ご存知の通り「自分のいる世界が全てだと考えており、違った物の見方があるとも考えず見識が狭い」という意味で使われています。
対して、後半の「されど空の青さを知る」は後から日本で付け加えられた言葉です。
「狭い世界でも狭いからこそ見えるものがあるのではないか」「その世界の些細なことまで知っている」
前半とは相対してポジティブな解釈となっているのです。題名の意味を改めて理解してみると、より深く物語を理解できることでしょう。
しんのの存在理由とは?
今作で重要な役割となる「しんの」が現れることにより、物語や登場人物の想いは大きく変化します。
しんのとは何なのか、現れた目的や存在理由、消えた理由はなんだったのでしょうか。
しんのとは何か
慎之介が帰郷するタイミングで現れたしんの。お堂からは出られないという設定となっています。
劇中ではツグが「実態がある」と言っており、幽霊などではないようです。
しんのがお堂から出られるようになったキッカケとして、あかねスペシャルの弦が切れるシーンがありました。
上京するときに置いていったあかねスペシャルと、あかねに対する未練や後悔といった、念のような存在だったのではないでしょうか。
しんのの存在理由とは
しんの・あかね・慎之介の3人が乗る車内での会話シーンで、あかねはこのように話しています。
「今度、ツナマヨのおにぎりでも作ってみようかな。」
引用:空の青さを知る人よ/配給会社:東宝
このあかねのセリフがキッカケで、しんのは消えてしまいました。