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「ダウンサイズ」は「ファミリー・ツリー」「サイドウェイ」の監督で知られるアレクサンダー・ペインが監督・脚本を務めたアメリカ映画です。
日本では2018年3月に公開され、「オーシャンズ」シリーズや「オデッセイ」で主役を務めたマット・デイモンが主演を務めました。
本作品で監督が伝えたい事や社会風刺、ポールの想いなどを徹底解説していきます!!
混乱の世界情勢
内戦やテロ、核の脅威や自然災害、暴動やデモ等々、世界的に混乱した時代といえます。
何故、同じ人間同士なのに分かり合えないのか、何故対立が起きるのか本作はこんな時代だからこそ観るべき映画といえるでしょう。
冒頭約20分間の意味
「ダウンサイズ」は冒頭コメディーチックに描かれている描写が多いです。
人間が小型化する、という発想の映画はいくつかありますが、「ダウンサイズ」はその中でも突飛な発想がきらりと光る映画となっています。
冒頭、小型化する経緯などくすりと笑ってしまう描写が絶えませんでした。
しかし物語が進むにつれてこのコメディー要素は全くと言っていいほど無くなります。
前半、物語をコメディーチックに見せかけて後々壮大なテーマを持ってくるという、ここに監督の意図があります。
前半を物語としてわかりやすくする事で、後々の大きなテーマに入りやすくしているのです。
本作品における社会風刺
今作には現代社会を風刺したようなシーンが多々見受けられました。風刺的な場面が意味するものとは何なのでしょうか?
環境問題
特に地球温暖化は注目されるべき深刻な事態といえます。
地球温暖化によって海水の温度が上昇、そこに住むべきではない生き物が存在してきたり、人間だけではなく動物にも深刻な事態をもたらしています。
それを仕掛けたのは全て人類の行いなのです。
アレクサンダー・ペイン監督はそんな人類の行動に警鐘を促しています。
作品の中ではノルウェーの豊かな自然に人々が感動するというシーンがありました。
本来、どこにあってもおかしくない自然の風景が映し出されるシーンです。
この豊かな自然を守っていくべきなのは人間なのだ、という主旨の事を監督は訴えたいのでしょう。
貧富の差
今作のヒロインとも呼べるノクの住む世界はスラム街のような世界でしたが、ポールが小型化した世界は夢のユートピアのようでした。
どんな世界であっても、人間が存在すれば必ずそこに生活の温度差は生じてきます。
“貧困”というテーマは人間が存在する限り消えないのです。
そして貧困という問題には必ず大なり小なり犯罪という問題がセットでついてきます。