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【ダウンサイズ(ネタバレ)】作品で監督が伝えたいことを徹底解説!風刺が盛り込まれているシーンとは?ポールの想いも考察

SF ダウンサイズ

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B078TS9D6Z/cinema-notes-22

「ダウンサイズ」は「ファミリー・ツリー」「サイドウェイ」の監督で知られるアレクサンダー・ペインが監督・脚本を務めたアメリカ映画です。

日本では2018年3月に公開され、「オーシャンズ」シリーズや「オデッセイ」で主役を務めたマット・デイモンが主演を務めました。

本作品で監督が伝えたい事や社会風刺、ポールの想いなどを徹底解説していきます!!

混乱の世界情勢

サイバーテロにより暴徒化した大衆で都市部は大混乱に陥っていた。地方都市で暮らす夫婦ジェームズとリリーのもとへ、避難してきた友人たちがやってくる。(C) 2013. Goodbye World Llc.

内戦やテロ、核の脅威や自然災害、暴動やデモ等々、世界的に混乱した時代といえます。

何故、同じ人間同士なのに分かり合えないのか、何故対立が起きるのか本作はこんな時代だからこそ観るべき映画といえるでしょう。

冒頭約20分間の意味

Downsizing: Music from the Motion Picture インポート
「ダウンサイズ」は冒頭コメディーチックに描かれている描写が多いです。

人間が小型化する、という発想の映画はいくつかありますが、「ダウンサイズ」はその中でも突飛な発想がきらりと光る映画となっています。

冒頭、小型化する経緯などくすりと笑ってしまう描写が絶えませんでした。

しかし物語が進むにつれてこのコメディー要素は全くと言っていいほど無くなります。

前半、物語をコメディーチックに見せかけて後々壮大なテーマを持ってくるという、ここに監督の意図があります。

前半を物語としてわかりやすくする事で、後々の大きなテーマに入りやすくしているのです。

本作品における社会風刺

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今作には現代社会を風刺したようなシーンが多々見受けられました。風刺的な場面が意味するものとは何なのでしょうか?

環境問題

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世界的にも環境問題は非常に大きな問題といえるでしょう。

特に地球温暖化は注目されるべき深刻な事態といえます。

地球温暖化によって海水の温度が上昇、そこに住むべきではない生き物が存在してきたり、人間だけではなく動物にも深刻な事態をもたらしています。

それを仕掛けたのは全て人類の行いなのです。

アレクサンダー・ペイン監督はそんな人類の行動に警鐘を促しています。

作品の中ではノルウェーの豊かな自然に人々が感動するというシーンがありました。

本来、どこにあってもおかしくない自然の風景が映し出されるシーンです。

この豊かな自然を守っていくべきなのは人間なのだ、という主旨の事を監督は訴えたいのでしょう。

貧富の差

今作のヒロインとも呼べるノクの住む世界はスラム街のような世界でしたが、ポールが小型化した世界は夢のユートピアのようでした。

どんな世界であっても、人間が存在すれば必ずそこに生活の温度差は生じてきます。

“貧困”というテーマは人間が存在する限り消えないのです。

そして貧困という問題には必ず大なり小なり犯罪という問題がセットでついてきます。

ノクが薬を盗んでいたのも、家主の了解は得ていたとはいえ、一般的に見て犯罪行為ではあります。

ノクもそれをいい事だとは思っていないのでしょうが、盗みをしないと生きていけないのです。

家主の家は薬に困らない位いい暮らしをしているのに、一方のノクは義足な上に薬を買う十分なお金すらない。

その対比が夢のユートピアではない生活を浮き彫りにしていました。

人種差別

某国の大統領は就任演説の時に「チェンジ!」という言葉を使いました。

しかし、難民排除を目的とした壁をメキシコとの国境に作る、などの人種差別を行っているのも事実です。

「ダウンサイズ」でもこの人種差別という問題は大きく描かれていました。

白人で小型化した人間はいい暮らしをしているのに、それ以外の人間はとても雑で質素な暮らしをしているというシーンからそれが見えます。

アメリカは未だに白人至上主義の根強い社会です。

監督はそういった社会に「NO!」と言いたかったのではないでしょうか。

主人公のポールは白人で、謂わば普通の存在として描かれています。

しかし、ノクの存在は一癖も二癖もあるような性格として扱われていました。

そこに白人以外の人種を受け入れない社会というものに警鐘を鳴らす監督の鋭い感性がみられます。

監督が伝えたい事

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今作を通してアレクサンダー・ペイン監督の意図するものとは何だったのでしょう?

そこを紐解いていきましょう。

小型化すれば幸せ?

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人間は幸せであっても欲深い生き物で、それ以上の幸せを追い求めようとします。

それが本作品の「人間小型化」だといえるでしょう。

環境問題、人口増加などなど自分達に都合のいい言い訳をくっつけて要は自分達が楽をしたいだけと言えます。

小型化しても、そのままでも人類は同じような一途を辿るのです。

「人間小型化」はあくまでも理想論であり、幸せはもっとそういう次元ではない全然別の場所にある、という事を監督は訴えたかったのでしょう。

人生の選択肢は一つではない

人間は日々、選択の連続を繰り返して生きる生き物と言えます。

眠る、食べる、話す、などなど人は毎日いくつもの選択を迫られて自分のしたい事を選び生きているのです。

話す言葉一つをとっても人間は自分の意志で選ぶことが出来ます。

「ダウンサイズ」はそんな私達に人生の選択肢は一つではない、という事を見事に提言してくれた映画でした。

小型化するかしないか?そこで物語は始まりラストのポールの決断に至ります。

私達の人生は、自分の意志で掴み取り、自分自身の意志で幸せになっていくものなのだというような監督の強い意志が今作から感じられました。

夢のユートピアだけでは生きていけない

人間にとって生きる事は苦労の連続です。

ただ幸せで、自分達にとって楽な事だけならそんなものは人生とは呼べないでしょう。

「人間小型化」は人間が生み出した理想論であり、エゴの代表とも呼べます。

苦労してこそ真の幸せを掴み取れるのだ!「人間小型化」の世界は本当の人間らしい生き方ではないとのメッセージが込められているのです。

ポールの想い

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「ダウンサイズ」というこの映画では主人公のポールの想いも様々に揺れ動いていました。

作品を通してのポールの心情の変化を探っていきましょう。

ポールが再生していく物語

序盤のポールは生きていく事に無気力でした。

一緒に小型化するはずだった妻には逃げられ、お酒や薬に溺れたりと現実逃避の連続です。

しかし、ポールは周囲の人々、特にノクという存在に出会って自分の人生の価値を考えていくようになりました。

それがラストのポールの決断に繋がってきます。

ポールは自分の意志で考えて自分で幸せになるという最高の決断を手に入れたのです。

これは他の誰でもなくポールの人生の再生の物語といえるでしょう。

誰の為に生きるか

シェルターに向かったポールは永遠に滅びない世界よりも、ノク達のいる元の現実世界を選びました。

「挫折だらけの男だ」

引用:ダウンサイズ/配給会社:パラマウント映画

というドゥシャンの言葉通り、ポールは人生の一番大事な所で“最良の挫折”を選ぶのです。

ポールは長く生き続けるよりも“誰の為にどう生きるか”に最後の最後で気付きました。

その時のポールの表情は「ダウンサイズ」の映画の中で最も生き生きとしています。

人生の中で“生きる希望”を初めて見つけたのです。

ラストシーンから見えるもの

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食事を届けた一人の老人をポールがじっと見つめるシーンで物語は幕を閉じましたが、あれには深い意味があるのです。

今まで当たり前であった事が当たり前でなくなった時、人はその大切さを初めて実感します。

ポールもその事に気付いたのでした。

側に愛する仲間がいて、一緒に美味しい食事ができるというそれだけで人間は幸せなのです。

ポールは老人を見て、その幸せの真実というものに改めて気付けたのでしょう。