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【博士の愛した数式】博士の心情を物語る数式の変化を考察!博士が子供への愛にこだわる理由は?「時は流れず」の真意を読み解く

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0086TJRZG/cinema-notes-22

「博士の愛した数式」は2006年1月21日に公開された、小川洋子原作の同名映画です。

寺尾聰・深津絵里・吉岡秀隆等の豪華キャストを携えた、数字とそれにまつわる周囲の人々の心の交流を描いた感動作となっています。

博士の心情を物語る数式の変化の考察や、博士が子供への愛情にこだわる理由、「時は流れず」の真意を徹底解説していきます!!

映画においての数字の役割

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何よりも数字を愛してやまない博士。

映画の中で用いられる数字や、数字の公式は博士と周りの人々の距離を縮める効果的なものとして描かれていました。

二人の距離を縮めた友愛数

家政婦である杏子の誕生日「220」と博士の腕時計に刻まれている数字「284」この数字が今作品において始めのキーワードです。

この2つの数字が「友愛数」であった事で博士は杏子に親近感を抱くきっかけになりました。

220と284という数字が違う数字であったら、2人の距離や信頼関係はこれほどまでに縮まらなかったといえます。

友愛数という数字が2人の距離を最大限に縮める、そして「友達」という枠にはめ込んでくれた大切な数字となったのです。

ルートという存在

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杏子の息子であるルートの存在もまた博士との距離を縮める大切な人物となりました。

子供好きな博士は、ルートの存在を何よりも大切にし、そして野球を教えたりと、ルートによって自分の視野を広めていきます。

杏子とルートも博士の存在に救われたと同時に博士も杏子とルートによって救われていくのです。

複雑怪奇で難解な数字という情報によってお互いを尊重し、互いの知らないものを発見していく事になります。

杏子が数字に興味を示すようになるように、博士もまた2人の生きている世界を知る事で未知だった世界を覗いていく事になるのです。

そして杏子だけでは知りえなかった世界を博士に見せてくれたのがルートという特別な存在といえます。

博士の心情を物語る数式の変化


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映画が進行するにつれて博士の心情を表す数式にも変化が見られていきます。

不倫関係にあった博士と義理の姉のシーンでそれが顕著に表れていました。その謎を紐解いていきましょう。

博士が提示した最初の数式

博士が最初に義理の姉に送った手紙にはeiπ=-1という数式がありました。

この-1は不倫関係にあった義理の姉との間に産まれるはずだった子供の事を指しているのです。

そしてこの-1はそれだけでなく事故をきっかけに記憶が80分しか持たなくなってしまった博士、足を不自由にした義理の姉の事も表しています。

また、不倫をきっかけに失った周囲の信頼なども表しているのです。

博士と義理の姉にとって-1は不幸の象徴であり埋まらない溝であるといえます。

希望を作った数式

博士が終盤で義理の姉に提示したメモにはeiπ+1=0と数式がありました。

これはマイナスであった博士の世界が杏子やルートによって変化した事を表現しています。

博士にとって+1は幸せの象徴であり、人生をもう一度頑張ろうと希望を生んでくれた数式なのです。

そして義理の姉との埋まらない溝を、もう一度埋めていきたいという博士の希望的象徴といえます。

義理の姉が家政婦の杏子に心を開いたのも、この数式を見て、もう彼は以前のような後ろ向きな人間ではないという事を悟ったのです。

杏子やルートとの思い出や忘れられない出来事が博士を再生させてくれたのだとそう思ったのでしょう。

そして博士と自分は魂の奥の奥で繋がっている、と義理の姉は解釈したからこそ杏子やルートの事も受け入れたのです。

幸せになりましょう


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eiπは杏子やルートが現れる前の不幸な博士の象徴でした。また義理の姉の姿ともいえます。

それが+1である杏子やルートの登場で苦しみも悲しみも悩みも全て0に戻せるのだという事。

そしてこれからは明るく豊かな生活を送りましょうと博士は数式を用いて示唆しているのです。

eiπがいかに難解で複雑であっても、人間は1つのきっかけで救われる事を博士は実感しました。

eiπ=-1であった私達ですが、1つのきっかけであなたも変われる、お互い幸せになりましょうと博士は義理の姉に伝えたいのだといえます。

そして自分自身も大切に

iは「イマジナリー・ナンバー」の頭文字です。

iは想像上の数字、虚数の事を指します。そしてiは自分という意味です。

決して目には見えないけれど、そうした目に見えないものが世界を支えているとそういう事を示唆しています。

iは失った子供の事、はたまた杏子やルートの事、または義理の姉の事を指しているのです。

そしてiはかけがえのない自分を大切にしようというこの映画のメッセージといえます。

子供への愛にこだわる理由


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博士はルートを始め大好きな野球を通じて関わった子供達の存在を非常に大切にします。

そこにはどういった想いが隠されているのでしょうか?

失った子供の分も

博士が子供への愛情にこだわる理由は、やはり自分と義理の姉との間にあった産まれなかった子供が大きく関係しています。

数式に当てはめ、-1とするほどなのです。

その時の博士の落胆は相当なものだったと思われます。

10歳であるルートが家で1人母親の帰りを待っている事を知った博士の慌てぶりは、まるで自分が子供に戻ったかのようでした。

自分の産まれなかった子供とルートを重ねて見ているのでしょう。

失った子供の分もルートには幸せになってほしいと願っているのです。

ルートにも父親がいない

また、博士はルートに父親がいない事を知り、自分が父親代わりのようになろうと思っていたのです。

勿論、博士と杏子の間にはそんな夫婦間のような愛情はありません。

博士にも特別な感情は勿論ありません。

しかし、義理の姉が嫉妬するほど博士と杏子、そしてルートは知らず識らずのうちに家族のようになっていったのです。

それは数字を通じて3人が出会った、言葉では表せないほどの深い深い絆であり愛情といえます。

3人は数字を通してかけがえのない絆を育んだのです。

時は流れずの意味


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数学教師となったルートが、物語のラストで黒板に「時は流れず」と書きました。

これは時がどんなに経っても思い出は色褪せない、そして流れる時の中でも人間の絆は血の繋がりを超えて永遠なのだよといいたいのです。

博士は海岸で、完全数「28」の背番号を持つタイガースの江夏の服を着て、満面の笑みで笑っています。

「時は流れず」はどんなに時は流れても人の本質は変わらない、変わらないままその時の笑顔で笑っていると伝えたいのです。

大事なのは心で見る事


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映画の中で、博士は心で見る事の重要性を杏子に説きました。

この“心で見る”という事はイマジナリー・ナンバーのiにも繋がってきます。

目に見えない心という存在がこの現実を、世界を支えているのです。

目に見えるものだけが全てではない、そして真実ではない、だからこそ博士は“数字”という無限の可能性を愛したのではないでしょうか。

数字は美しい


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博士は最初から最後まで数字を愛し続けました。

杏子に靴のサイズを聞き、潔い数字だと誉めたり、ルートの事をルートと名付けたのも博士の最大限の誉め言葉なのです。

これは数字を通してでしか人と関われなかった博士の最高の成長物語であり、杏子とルートの成長の証の物語であるといえます。

そして、博士の義姉の成長を描いた記録映画とも呼べるでしょう。

義理の姉が門を開放したことで博士も義理の姉も、杏子も、ルートもそれぞれの思いやしがらみから解き放たれました。

そして、この映画が提示している“数字の美しさ”これが博士が愛したeiπ+1=0のオイラーの等式に全て詰め込まれています。

それはまるで数字の宝箱のようであり、博士が教えてくれた事は杏子やルートの中で生き続けるのです。