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2009年公開の『500日のサマー』は恋愛のバイブルともいわれています。
時系列が交差しているにもかかわらず、わかりやすいストーリー構成で観る者を共感させ続けているのです。
最後までサマーのことを理解出来なかったトムですが、彼が理解できなかったサマーをじっくり読み取っていきましょう。
「卒業」を観て彼女が号泣した理由、彼女がベンチにいた理由そして手を重ねて去ったのはなぜか……。
描かれていなかったサマーの心境を考察します。
「卒業」で号泣したのはなぜ
劇中でサマーは「卒業」を観て号泣していましたが、彼女はなぜ突然泣き出したのでしょう。
卒業という映画
劇中で二人が観ていたのは1967年公開の「卒業」です。
真実の愛で結婚式場から花嫁を奪い去る名作で、この名シーンはその後様々な場面で使用されることになります。
サマーは本当の自分の気持ちに気がついた
真実の愛なんてない
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
サマーは真実の愛を信じていないといっていますが、この言葉は偽りです。
両親が離婚し、愛に臆病になっていただけなのでしょう。
トムがもう少し相手の心を見抜くことが出来たなら、サマーの本心に気がつくことが出来たかもしれません。
サマーは「卒業」を観て、自分が愛に対して臆病だったことに気がついたのです。
わたし何してるんだろう
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
映画を観てつぶやいたサマーのセリフが、愛を偽っていた自分への言葉となっています。
今まで自分が愛を恐れていたことを自覚し、このままではいけないと感じた、だからこそ彼女は号泣したのです。
トムは違うと感じた理由
「卒業」を観て自分が真実の愛を求めていると認識したサマーは、トムに別れを切り出します。
その原因はトムにあったのです。
トムは自分が本気でサマーを好きなことを隠していました。
28日目にはバレそうになったサマーへの愛を否定しています。
あなたと友達になりたい
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
この時のサマーは恋の予感をしていたのではないでしょうか、しかし否定されたことで自分にシールドをかけています。
自分は真剣な付き合いができない人なの
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
34日目にサマーがイケアで放った強がりのセリフにも、トムは気持ちを隠し了承しています。
トムは自分に本気じゃない軽い気持ちで付き合える人なんだ、とサマーは感じていたことでしょう。
サマーにこう感じさせたのはトム自身の行動なのです。
もしもトムが本気でサマーと付き合いたいという気持ちをストレートにぶつけていたら、結末は変わったことでしょう。
サマーが本当に求めていたのは、言葉とは裏腹の深い愛だったのです。
サマーはなぜベンチにいたのか
488日目に公園のベンチで再会したトムとサマーですが、なぜサマーはベンチにいたのでしょう。
トムに別れを告げる為
ここなら会えると思って
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
サマーは、トムにしっかりと別れを告げる為にベンチで待っていたのでしょう。