唯一ドラゴンを殺す描写があったのはラストの巨大ドラゴンとの戦いでした。
ドラゴンとの共生を訴えていたヒックはなぜ巨大ドラゴンだけは殺す必要があったのでしょうか?理由を考察していきます。
雷神トールとなったヒック
航海から帰って来たストイックは練習で成果を出しているヒックに対しこのような言葉をかけます。
「そんな才能を隠していたとは雷神トールよ!」
引用:ヒックとドラゴン/配給会社:パラマウント映画
その言葉を裏付けるが如く深い雲の中で雷神トールの雷鳴が轟いているような巨大ドラゴンとの戦いを繰り広げます。
その姿を見たストイックは心配そうに戦いを見守りますが、ここで初めてヒックは父の期待に応えられたといえるでしょう。
巨大ドラゴンを殺す必要があったのか
巨大ドラゴンが出現しヒックがドラゴンに乗って駆けつけたときには、船は全て焼かれ父であるストイックが絶体絶命の危機に晒されていました。
ヒックは共生よりも父を助けたいという気持ちと、勇敢になった自分を証明したいという気持ちが勝ったのではないでしょうか。
巨大ドラゴンに食べられるドラゴン
劇中でドラゴンが死んでしまうシーンは巨大ドラゴンに食べられるドラゴン以外には描写されていません。
この食べられてしまうドラゴンの死は、巨大ドラゴンの同種すら食べてしまう残忍さの演出のためには仕方のない描写だったのだと考えられます。
巨大ドラゴンを殺すヒックの描写
ヒック以外の戦いのシーンでは、バイキングやドラゴンが死んでしまうシーンの描写は一切ありません。
バイキングは仲間のために戦い、ドラゴンは巨大ドラゴンに強いられ否が応にも食料を奪いに来ざるを得なかったからではないでしょうか。
劇中巨大ドラゴンだけは「私利私欲を尽くす悪役」として描かれており、ヒックに殺されたのだと考えることができます。
片足を失う意味とは?
ラストシーンではヒックが目覚めると巨大ドラゴンとの戦いで片方の足が義足になっていることに気づきます。
片足を失ってしまった意味を考察していきましょう。
トゥースも片尾翼を失っている
ヒックはバイキングの鍛冶屋として働いていますが、仲間からはミスばかりで頼りないという評価を受けています。
汚名返上のため、ヒックはトゥースを倒すべく攻撃します。ヒックのその攻撃によりトゥースは片方の尾翼を失ってしまいました。
その出来事によりヒックとトゥースの「友情」が芽生えます。
共通の身体的特徴
ヒックは左足、トゥースは片尾翼、とお互いに体の一部を失ってしまっています。
トゥースと共に参加した戦いの中で足を失ってしまったという事実こそが互いの「友情」をより深いものにしているのではないでしょうか。
他のバイキングやドラゴンたちは、人間が餌を与えドラゴンが餌をもらうという、まるで「主従関係」のようです。
ヒックとトゥースだけは主従関係ではなく、物語や共に戦って負った体の傷痕からまるで「友達」や「戦友」といった関係のように読み取れます。
その演出のためには重要な設定なのではないでしょうか。