「ぼくらの7日間戦争」は守をはじめに7人の成長物語です。
7人の物語が一人一日と考えて初めて出来上がっていく物語といえます。
7人誰が欠けても成立しなかった物語なのです。
微妙な年齢の少年少女が、自分らしく生きていく事を決意する為に7日間という日にちが必要だったといえます。
ひとみの登場
かつて、大人を相手に七日間戦争を繰り広げたひとみ。
その登場は今作品の目玉ともいえるでしょう。
大切なのは結果ではなくてチャレンジする事だと守に諭すひとみは大人になってもなお魅力的でした。
大人とも子供ともはっきりとはいえない守達の瞳には、ひとみは人生の先輩として尊敬できる人間と映ったことでしょう。
人生を変えるのは自分次第、自分を変えるのも自分次第です。
守をはじめ7人の仲間達は、貴重な7日間で今までの生き方を全てひっくり返してしまうような成長を遂げる事になりました。
そして唯一無二のかけがえのない親友に、仲間になったのです。
誰も僕に興味がないというジレンマから、守はこの7日間で解き放たれました。
大人になるという事
大人になるという事は決してつまらない事ではありません。
夢や希望を捨てる事でもないでしょう。
綾の父親のような権力と名声を振りかざすような人間こそ大人とは呼べず、真には子供です。
秘書の本田がラストで秘書をやめるように、自分の気持ちに正直な人間こそ、真の大人を楽しんでいる大人なのです。
風船と一緒に気球で飛んでいく7人の仲間はとても清々しくありました。
現代を生きる子供達は情報量の多さなどで、何を正しいと見極めるかが困難な場面に立ちあう事もあるでしょう。
しかし、それも自分の捉え方一つで変わるのです。
この「ぼくらの7日間戦争」という映画はそんな大切な事を改めて思い出させてくれる映画となっています。
貴重な7日間を経験した7人の仲間はどんな大人になっていくのでしょう。
一度といわず何度も繰り返して観たいアニメ映画が、この「ぼくらの7日間戦争」です。