ちなみにこのやりとりは、ラストの会話でも取り上げられます。
あのときこんなことがあったな、と思わず微笑んでしまうようなエピソードでした。
ハーヴェイをノックアウトしたブッチ
ブッチとサンダンスが山のアジトへ戻ると、手下だったはずのハーヴェイがボスになり替わろうと画策していました。そしてブッチへ勝負を挑みます。
しかしブッチの正統とはいえないやり方によってあっさり負けてしまいました。
感心できるやり方ではないものの、勝負の判定もその後の強盗計画も、全て自分のペースに持ち込んでしまうブッチの機転の良さには驚かされます。
そしてサンダンスの息の合ったコンビネーションが発揮された面白いシーンでもありました。
パロディやオマージュされたラストの銃撃シーン
これまで紹介してきたように実に名シーンといわれるシーンが多く存在する本作。
熱い男たちの生き様は邦画でもパロディやオマージュされています。
冒険者カミカゼ-ADVENTURER KAMIKAZE-
1981年、日本でも本作をオマージュした作品が公開されました。千葉真一主演の「冒険者カミカゼ-ADVENTURER KAMIKAZE-」です。
一度挫折を経験した主人公2人とヒロインは、本作と通じるものがあります。
「冒険者カミカゼ」では、銃撃戦の西部劇とは一味違う大きな犯罪組織との激しいアクションが繰り広げられました。
このオマージュは千葉真一の企画案だそうで、日本を代表する俳優が注目した映画だったことが分かりますね。
さらば あぶない刑事
2015年に公開されたあぶない刑事シリーズの劇場版【さらば あぶない刑事】もまた本作のパロディであるとされています。
長年続いたテレビドラマシリーズの完結編ともなったこちらの映画は、最後の銃撃シーンがまさしく【明日に向かって撃て!】を彷彿とさせるものでした。
これにはあぶない刑事をテレビシリーズから見ていた人や、【明日に向かって撃て!】世代の人が喜んだことでしょう。
西部劇の醍醐味である銃撃戦は、作品の中に取り入れたくなる魅力があるようです。
【明日に向って撃て!】を、改めて鑑賞しよう
本作を改めて鑑賞することで、楽しみ方も広がってくるのではないでしょうか。
想定外の西部劇といわれ、批判も多かった当時。
そこから長い年月を経て、現在はアメリカン・ニューシネマの傑作と評され愛され続けています。
当時に思いを馳せながら、2人のアウトローが生きた一瞬を、味わってみてくださいね。
制作陣が影響を受けたり尊敬する作品のテイストを自身の作品に入れ込むのは、その作品への愛や尊敬が感じられて、こちらまで嬉しくなってしまいます。
今回紹介したパロディやオマージュ作品も、【明日に向かって撃て!】を観た後に見てみると新しい発見があると思いますよ。