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【明日に向って撃て!】西部劇では想定外の作品といわれる理由を徹底解説!数々のパロディやオマージュを生んだ名シーンとは?

出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B00FYN9GL2/cinema-notes-22

1969年、実在の銀行強盗をモデルにした西部劇、【明日に向って撃て!】が公開され、大きな話題を呼びました。

当時数々の賞を受賞し、アメリカン・ニューシネマの代表作の1つとして名作となった本作ですが、公開された当時は批判の声も多かったのです。

その批判もいつしか話題へと変わり、“想定外の作品”といわれるようになりました。

反響が大きかった本作は、その後の映画界においてパロディやオマージュされるほど、映画界に影響を与えることとなったのです。

今回はそんな映画界に新しい風を吹き込んだ【明日に向かって撃て!】の魅力を探っていきましょう。

想定外の作品といわれた理由とは

明日に向かって撃て!

公開当時の西部劇といえば、勇敢な主人公がどんな追手にも怯まず、立ち向かう姿が一般的でした。

誰もが憧れる存在であることが主人公の条件だったのです。

しかし【明日に向って撃て!】に登場する2人の主人公、ブッチとサンダンスは、追手から逃げ続け常に「生きる」ことを選択しました。

そのためには崖から飛び降り、国外まで逃亡し、さらには最期の瞬間まで別な国への逃亡を語り合います。

彼らの生き方に否定した見方もできる一方、人間臭い逞しさをかっこいいと賞賛する声も多かったのです。

映画技法から見る、想定外の作品となるまでの挑戦

本作はいままでの映画にはない、新しいことに挑戦したことで、多くの注目を浴びました。

数々のパロディやオマージュが生まれたのも、その新たな試みが成功をおさめたからにほかありません。

静止画を用いた技法

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本作では斬新な撮影技法が用いられました。もっとも特徴的だったのは、要所要所で静止画が取り入れられていたことです。

真っ先に浮かぶのは、やはりラストシーンではないでしょうか。2人をはっきり終わらせるのではなく、最後まで生き抜こうとした一瞬を切り取っていました。

また、ボリビアへの道中で3人が旅を満喫している様子が、挿入曲と共に軽快に移り変わっていきます。まるでアルバムをめくっているかのようです。

切ない場面も少なくない本作ですが、かけがえのない一瞬を印象づける、効果的な技法でした。

セピア色から陽光に満たされ、そしてまたセピア色へ

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冒頭のシーンは、サンダンスが賭けをしているシーンから始まります。

しかし相手に「出ていけ」と言われたことで、不穏な空気となり、ブッチになだめられるも…という場面です。

2人が馬に乗って野を駆けるシーンに変わると、徐々に陽光に満たされて周囲が鮮やかに彩られていくのです。

とても美しいシーンでしたね。2人の生き生きとした様子が伝わってくるようです。

そんなことを何度か繰り返し、最後はセピア色に戻って幕を閉じます。

セピア色の場面は、「過去」や「終わり」を表しているようにも感じられ、本作のメッセージ性が見える重要な変化でした。

様々な角度から撮られたアクション

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ブッチとサンダンスが馬に乗って追手から逃げるシーンでは、カットで撮影の方向を変化させていました。

そのため飽きることなく、また臨場感ある楽しみ方ができるのです。

正面から見ると彼らの必死な様子が、側面からは馬の疾走感が、そして遠く背後が映ると確実に迫っている追手の姿が見えます。