自分を犠牲にしても守った家族の幸せは自分の誇りでもあり、妻からの信頼や愛情は得難いものです。
ただ、男性はそれだけでは生きていられない生き物なのかもしれません。
肉食系の生き方
男性には、遺伝的に2種類のタイプがいるとされています。
遺伝子を撒き散らしたい狩人タイプと、家で一緒に子育てをしてくれる保護タイプの男性とに大別されます。
狩人タイプは、まさに外の世界に出向いていき、女性とたくさん交流して種を撒き、領土を広げていきたい男性です。
一方で、洞穴に残って一緒に子育てしてくれる男性は、女性にとっては長く一緒に関係を育める相手であります。
草食系の生き方
言わずもがな、エドワードは狩人で、カーターは子守タイプです。
子育てを手伝ってもらえて、一緒に側にいてくれる男性を子育てをしている女性なら必要とする方が多いでしょう。
安心感が得られて優しい男性だと、一般的にも好評を得られます。
けれど、雄としての獲得本能が満たされず、良いパパになって夫婦が男女の関係でなくなってしまいがちです。
チャレンジのないところには安定と退屈が紛れ込んでしまいます。
2つ並べられた缶
全く別の人生を歩んだ2人が、死ぬ前に人生を分かち合い、それぞれの人生の豊かさが2倍になりました。
お互い知らなかった2人が、お互いに相手にしたことが「知らない人への親切」に当たります。
2人は、出会いによってそれぞれ以下のようなことを得ました。
自己抑制が解かれた
良い夫、父と役割を果たしてきたカーターに雄としての本能を取り戻させてくれたのが、エドワードです。
彼の奔放さから自由を教えてもらいました。
好きな車をキーホルダーで持っているだけで終わっていた人生が、実際にその車を運転しサーキット上で少年のように暴走させます。
義務感から解放された瞬間でした。
家族と和解した
一方で、エドワードも親子の縁が切れていた娘と再開し、孫娘の顔を見ることができました。
カーターから家族愛の素晴らしさを思い出させてもらいました。
こうして、2人はそれぞれの歩んできた人生を満足しながらも、少し不足しているところを補うようにお互いの体験を交換しました。
押し付けがましくなく、さらっと相手に渡すその思いやりは、2人の友情の証明です。
そうして最終的に唯一欠けていたところも、ばっちりハマって、完璧な人生として幕が下りました。
亡くなった後の2人の遺骨は、秘書によって山頂に缶に入れて埋められ、並んでヒマラヤの上から世界を眺めています。
リストに書かれた内容が、これで全て叶いました。
今一番高い場所で、2人は仲良く、たくさんの人々の最高の人生を眺めていることでしょう。