スプーナーは過去に交通事故に遭い、ロボットの助けにより一命を取り留めています。
ロボットは同じ現場に居合わせたサラという少女を助けるよりも、助かる確率の高いスプーナーを助け出しました。
何よりも倫理的思考・確率などの計算に基づいた判断しかできないロボットに対し、激しい嫌悪とトラウマを抱くのでした。
自身の左上半身がロボット化しているというジレンマ
スプーナーは前述の事故により左上半身がロボットとなっています。
同僚にも知れ渡っているほどのロボット嫌いなのですが、自身はロボット技術により一命を取り留めて生活している。
そんな矛盾や葛藤があるからこそ、襲われた際に受けた腕の傷やロボットとしての能力はひた隠しにしているのではないでしょうか。
AI(人工知能)の危険性
機能が豊かになればなるほど便利になると期待されているのが人工知能です。
人間の生活をより豊かに、そして楽にしてくれるはずのロボットですがデメリットも存在します。
それは何か、アイロボットという映画を通して見てみましょう。
AIとは?
人工知能は大きく分けて2つの種類が存在しています。
お掃除ロボットのようなお掃除だけができる特化型人工知能と、サニーのようになんでもこなす汎用人工知能です。
アイロボットではサニーやヴィキといった汎用人工知能がメインに取り扱われていますが、特化型人工知能も多く出演しています。
2045年にはヴィキのような人間を超える知能が完成するともいわれており、映画の中だけの話ではなくなるかもしれません。
感情がない人工知能の危険性
ヴィキには感情がなく武力行使で人間を「保護」しようとし、人間とロボット両者に多大な犠牲を出してしまいました。
一方サニーは人間に共感しスプーナーを信頼することで、この混乱を収めることに成功したのです。
感情のないロボットには「管理」もしくは「破壊」という選択肢しかない、と警鐘を鳴らしているように感じられます。
ロボット工学三原則の脆さ
劇中では進化したヴィキが誤った解釈で第1条に従い人間を守るために保護という名の監禁をしようと画策しました。
ヴィキのように感情がないまま進化し、進化したが故に三原則を拡大解釈し誤った方向に進んでしまう危険をはらんでいます。
人間とロボットは密接な関係にあるように描かれています。
ロボットとはいえコミュニケーションや感情という物がいかに必要なのかを考えさせられるテーマだといえるのではないでしょうか。
何故旧型ロボットは破壊されてしまったのか
スプーナーがミシガン湖へ到着しラニング博士のホログラムを再生し終わった後、ロボット同士が争っている場面と移り変わります。
そこではコンテナへ収容された旧型ロボットをNS-5が破壊していました。