話し合いや歩み寄りのないまま突然戦闘に突入してしまいましたが、それにはいくつか理由が考えられます。
ここではその理由を考察してみましょう。
地球人側からの理由
地球側からすれば、いくら交信を送ったからといって、まさかいきなりやってくるとは想定外でした。
しかも、たまたま各国の合同海洋軍事訓練の真っ只中に不時着して来たのです。
その未確認物体が何かを確認する前に攻撃を仕掛けたのは、こういった危険を恐れたからでしょう。
宇宙人側からの理由
交信を受けて地球という星にやってきて、着地に失敗。救助を求めようにも、逆に攻撃を受けたので応戦するしかありません。
味方に助けを要請するため通信を試みますが、それも邪魔されてしまいます。
コミュニケーションを取るにも方法はなく、応戦する形で戦闘に発展していったのではないでしょうか。
誤解が誤解を生み、タイミングの悪さも重なっていったと考えられます。
これまでの宇宙人侵略映画との違いと日米での評価
目的がはっきりしない
UFO侵略や宇宙人襲来などの目的は地球を侵略することや滅亡させること。これがこれまでのSF映画の王道でした。
敵対する関係で戦闘に発展していくストーリーが多い中、本作は目的がいまいちはっきりしないまま進んでいきます。
そのため主人公たちの心情的にも非常に不完全な思いを抱えながら戦うことになるのです。
一方で観ている側としては、それまで見てきた宇宙人のイメージとは何か違う、そんななんともいえない感覚を抱くことになります。
身を守るために互いが戦わざるを得ないということだけは分かるので、宇宙人の垣間見える優しさなどに注目できるのかもしれません。
そんな本作は浅野忠信が出演したことで日本でも話題となりました。しかしアメリカとの評価には少し違いがあるようです。
日本での評価
概ね好評価のようです。内容が陳腐だという厳しい意見もありましたが、好意的な意見としては以下のようなレビューがありました。
- 退役軍人の面々がかっこいい
- 重量級のアクションで映像もすごかった!
- 軍人たちがイケメン過ぎてシビれた
浅野忠信さんがとてもいい役で出演しているのが一つの要因なのと、アメリカ海軍や戦艦のかっこよさがふんだんに表現されているところに魅力を感じている人が多いようです。
アメリカでの評価
アメリカでの評価はあまり高くないようです。迫力のあるアクション映画が好きな人や、バトルシップゲームのファンの人には好意的に捉えられていますが、低評価が目立ちます。
- 長くてうるさい。この物語がエキサイティングなのは最後の数分だけ
- ただのボードゲームと変わらない。ボードゲームに2億ドルもかけてると考えるとなんとも言えない
まとめ
バトルシップという映画は、突然やって来た宇宙人から地球を守ったヒーロー物と捉えられるかもしれません。
しかし宇宙人の目的はなんだったのか、戦う必要がそもそもあったのかという疑問について考察しました。
結論としては、宇宙人の目的はおそらく攻撃的なものではなかったと考えられます。
無闇に人を殺さなかったのもそのためです。
もし地球人から攻撃をせずに、敵の船に触れずに、ゆっくりと歩み寄っていればどうなっていたのでしょうか。
主人公の破天荒な性格もしっかりと描かれていますが、もし違う人が指揮を取っていたら違う結果になっていたかもしれませんね。
しかし、映画のコンセプト上、限られた空間の中で戦艦同士が戦いを繰り広げるというシチュエーションがどうしても必要です。
宇宙人の気持ちを考え始めると不憫な気もします。
しかしゲームのバトルシップの世界観を映画で表現するというコンセプトを実現させることにおいては成功だったといえるでしょう。
この映画は「迫力あってかっこいい!」「最後はスカッとして終わって爽快!」という気持ちで観ることができれば楽しめるのではないでしょうか。