出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B06XD55LZ7/?tag=cinema-notes-22
「心霊現象」や「未知なる存在(怪物)」が出てこなくても、怖いホラー・スリラー映画は作れる。
これを実践し大ヒットした「ドント・ブリーズ」。2016年に公開されたアメリカ映画です。
日常の暮らしの中に潜む異常からリアルな怖さを引き出した事が高い評価を得ました。
強盗に押し入る3人の若者と元軍人で盲目の老人との対決は、恐怖が身近に感じられ「怖いけど面白い」作品に仕上がっています。
状況設定がとても上手い一方、ツッコミどころもたくさん指摘されていますが、短い時間にテンポ良くまとめらています。
監督はリメイク版「死霊のはらわた」を演出した新鋭フェデ・アルバレス。
プロデューサーに彼が敬愛する元祖「死霊のはらわた」監督のサム・ライミが入っていることも好影響をもたらしていると思われます。
ここでは老人が金銭的な被害を隠した理由を徹底考察しつつ、2つのシーンについてその背景を探ってみたいと思います。
一つは冒頭に女性が明け方の道路を引きずられるシーンが出てきます。そのシーンを開巻に置いた意味とは。
そしてラスト、ロッキーが空港で妹の手を引くシーンに何か意味が隠されいるのか?、についても裏読みにトライしてみましょう。
老人の隠していた最大の秘密
若者3人組は、老人に対し何を隠しているのか知っているぞ、と凄みます。
老人は彼らが指しているのが「示談金」ではなく、地下にある最大の秘密と勘違いしたようです。
映画前半の老人の粘着的な必死さはそれで説明がつくのではないでしょうか。
逃げおおせたロッキーだが
盲目の老人宅を襲い、交通事故で死んだ娘の示談金をいただこうとした悪ガキ3人組ロッキー、アレックス、そしてマネー。
彼らにとって誤算だったのはこの老人は元軍人で特殊部隊にいたと思われ身体能力、戦闘能力が異常に高かったこと。
確かに目は見えないものの、その代わりに聴覚や嗅覚が発達していて、それが彼らの命取りになるのです。
老人の目の代わりとなる獰猛な犬の存在も忘れてはなりません。
作品の最重要ポイント
仲間2人を殺され、自分も命からがら逃げ出したロッキーは、金庫の金だけはしっかり盗んでいました。
盲目の老人の逆襲を逃れ、彼に致命傷を与えてLAへの逃避を目論んだロッキーの前に驚愕の事実が突きつけられます。
それはただ一人逃げおおせたロッキーの不吉な将来を予言するものでした。ここが映画の大きなポイントとなります。
娘を殺された老人の狂気
最後の生き残りとなったロッキー。
老人が結局ロッキーが盗んだ金のことを口にしなかったのは単に彼の異常な行動を知られたくなかった、それだけではなさそうです。
大きなポイントへ繋がっていく、そのあたりを細かく考察してみましょう。