出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07FXTNRLD/?tag=cinema-notes-22

押切蓮介の漫画を原作とした実写映画『ミスミソウ』。

いじめと復讐をテーマに展開する残酷なストーリーは観る者に大きな衝撃を与えました。

作中では主人公の少女をはじめ、思春期の少年少女の壊れた精神を細かく描写。

精神破壊(メンチサイド)ホラーとしてトラウマになりそうな展開が話題を呼んだ作品でもありました。

今回は、原作の魅力をさらに引き出した映画の中から妙子がラストに生き残った理由を考察。

晄が火事の中でシャッターを切った理由や、南先生が妙子を友達と呼んだ心理にも目を向けながら作品を読み解いていきます。

原作と違うラスト

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス) (日本語) コミック

主人公である野崎春花(山田杏奈)をいじめていた小黒妙子(大谷凛香)は、殺人劇の中で唯一生き残る人物です。

しかし、原作漫画において妙子は死亡しており、ラストシーンの締めくくり方も異なります。

原作を忠実に再現した作品の中でなぜ妙子が残されたのかをラストシーンから考察してみましょう。

春花と妙子の関係

何もない田舎の中学に転向してきた春花と最初に親しくなったのが妙子です。

親友と呼べるほどの間柄だったにもかかわらず、その関係は相場晄(清水尋也)の介入によって壊されます。

晄が春花と親しくなったことで、妙子の春花に対する態度は変化。

それまでの仲が嘘のように、クラスメートを焚きつけて春花をいじめ始めたのです

いじめの理由

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妙子が春花をいじめのターゲットにした理由は、春花に対する愛情が歪んでいたからです。

晄の介入によって関係性が変化したことで、クラスメートは妙子が恋心を抱いていた晄を春花が奪ったと捉えていました。

しかし、周囲の見解とは異なり妙子が一番好意を抱いていたのは春花。

晄の歪んだ本性を知っていた妙子は、自分の嫌いな晄と親しくする春花に嫉妬心を抱きいじめへの衝動となったのです。

妙子が生き残った意味

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映画「ミスミソウ」では、家庭よりも学校に主題が置かれているのがポイントです。

原作のように全員が死んだ結末では、学校という場所に救いを見出せません。

しかし、妙子が卒業式を迎え、明るい教室で春花との思い出を垣間見るラストシーンからは、一筋の救いの光を感じます。

過去の幸せな思い出を糧に卒業後の人生を歩み始める妙子の姿を描くことで、未来という名の救いを描いたのではないでしょうか。

原作のラストシーンでは

ユリイカ2018年4月号 特集=押切蓮介

原作漫画では妙子は死亡しており、ラストシーンには春花の祖父が登場します。

過去にあった悲劇を悼む祖父の姿は惨劇の名残を感じさせ、読者の胸にも救いを感じさせませんでした。

映画の中で妙子が生き延びたラストシーンは、漫画とは違い「未来」という希望を多少なりとも感じさせてくれます。

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