もののけ姫で最も謎とされているのが、シシ神の存在ではないでしょうか。シシ神とは一体どんな存在なのでしょう。
シシは絶滅した動物
シシ神のシシとはどんな動物なのか、映画の中には下記のようなセリフがありました。
- 東の果てにアカシシにまたがり……
- 見慣れぬシシに乗っていた……
いずれもアシタカがのっていたヤックルをさしています。おそらくシシ神のシシも鹿のような大きな動物を指しているのでしょう。
ちなみにヤックルは、ジブリの設定で絶滅した偶蹄類(ぐうているい)となっており詳しくは架空の動物だそうです。
様々な生き物の姿をしている
シシ神には昼と夜の姿があります。昼は人間の顔に鹿の角を多数持ち、体は鹿のようでいて足は鳥のような形をしています。
美しいというよりは多少不気味さを感じるのではないでしょうか。
さらに夜には「ダイダラボッチ」になります。ダイダラボッチは日本古来の言い伝えに登場する巨人で、山や川など国を創り出した巨人です。
このように様々な姿が組み合わさったシシ神は、創造の神なのでしょうか。
自然界のバランスをとる「神」
劇中で乙事主はシシ神の事を「森の守り神ではないのか!?」といっています。
しかしこの問いにモロは「シシ神は命を与えもし、奪いもする」と返しています。
森はすなわち自然界を指し、命を守るだけの存在ではなく命を奪う存在であることも語られているのです。
確かにシシ神は、タタリ神となった乙事主の命を奪っています。
結論からいうと、シシ神は自然界のバランスをとる神なのです。
更に宮崎監督によるとシシ神は下級の神(多神教)で、夜のダイダラボッチの姿の時は森を歩き回りながら森を育てているそうです。
公式には月の満ち欠けと共に誕生を繰り返す存在と表記されています。
- 不老不死の下級の神
- 生と死を司り自然界のバランスをとっている
- 昼と夜の姿が異なる
要約するとシシ神は上記のような存在ということになります。
セリフからわかる!アシタカは率直な蝦夷(エミシ)の若者
アシタカの人間性を語る上で、その背景となる一族を知る必要があります。いい男と女性に人気の高いアシタカはどんな人物なのでしょう。
アシタカを知る上でキーポイントになるセリフはジコ坊の「赤獅子に跨った、石の鏃(やじり)を使う勇猛な蝦夷の一族」です。
蝦夷の一族とは
ジコ坊のセリフに加え、アシタカはエボシ御前に「北と東の間より」来たと答えています。これは東北地方を指しています。
東北地方に隠れ住んでいた蝦夷は、日本書紀にも登場する古い民族です。時代と共に大和朝廷に侵略され東北の片隅に住むようになりました。
アシタカは蝦夷の英雄と呼ばれるアテルイの末裔といわれています。
信念を貫き通す若者
歴史ある蝦夷の末裔であるアシタカは、自分の信念を強く押し通す若者です。