出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B071J24KWQ/?tag=cinema-notes-22
あなたは自分が生まれてきた理由を考えたことがありますか?生まれる前から生まれる理由が決まっている人はめったにいないですよね。
「私」ことアナが淡々と語る衝撃的なオープニングが、この映画でくりひろげる夫婦・親子・兄妹の愛と生きることのテーマを物語っています。
「子供のほとんどは偶然うまれる。天国では体を与えられるのを待つ魂が漂い地上で結ばれた男女の間で偶然に誕生するの。」
「でも、私は少し違っていた・・・。私の命はオーダーメイド。姉を救うために遺伝子操作をして生まれた・・・。」
引用:「私の中のあなた」/配給:ワーナー・ブラザース
この幼気な少女のつぶやきがラストでは人の人生は誰かに与えられるものでも、操作されるものではないがリスタートはできると思わせます。
「私の中のあなた」の概要
映画「私の中のあなた」はアメリカの作家ジョディー・ピコの小説「My Sister’s Keeper」が原題で、2009年6月にアメリカで公開しました。
ケイト・フィッツジェラルドは2歳の時に急性前骨髄球性白血病を患いました。治療には輸血や骨髄移植が必要になる病気でした。
父親のブライアンと母親のサラ、もしくは兄ジェシーの血液遺伝子型がケイトと適合していれば、存在しなかった「アナ」のお話しです。
監督 ニック・カサヴェテス
主演 キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/私の中のあなた
ケイトと同じ数値の遺伝子型の子供を産んではどうかと提案をされたことをきっかけに、フィッツジェラルド家の試練がはじまります。
ケイトの壮絶な闘病生活の中、両親や兄ジェシー、妹アナに降り注ぐ試練とは一体何だったのでしょうか。
そして試練を乗り越えた時に家族の心にはどんな感情と変化が湧き上がったのかが、この作品の注目ポイントになります。
両親の決断「体外人工授精」
同じ血液遺伝子を持つ子供を妊娠するということはつまり、人工的に受精卵をつくって妊娠をすることです。
自分の子の命を救いたい一心は理解できても、そのためにケイトと同じ遺伝子を持つ子を人工的に作ることに夫婦は抵抗なかったのでしょうか?
デザイナーベビー
体外受精は自然妊娠しにくい両親が最終的に望みをかける治療と一般的に知られていますが、遺伝子操作で人工授精するまでになっています。
それを「デザイナーベイビー」と呼び、その目的は「遺伝的な病的疾患」を回避するためと医学的には論じられています。
「私の中のあなた」はデザイナーベビーを後天性疾病の子のために用いようとしたわけです。
デザイナーベビーは、遺伝子を選択して目や髪の色といった、特定の身体的特徴を持つ子供の生まれる確率を上げる技術的アイデアである。1990年代から受精卵の遺伝子操作は遺伝的疾病を回避することを主目的に論じられてきたが、親の「より優れた子供を」「思いどおりの子供を」という欲求に従い、外見的特長や知力・体力に関する遺伝子操作も論じられるようになってきた。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/デザイナーベビー
母親サラの執念
最初はサラが母親としての深い愛情から、そこまでできたのだと思いました。
しかしその裏にはサラのエリート弁護士としてのプライドや裕福な夫ブライアンの実家への意地があったのかもしれません。
サラはケイトを自分の手で生かす(治癒させる)ことで“人生に勝ちたい”という意地です。
ケイトを中心に回る家族
家族に重篤な病を患った者がいれば必然的にその病人を中心に生活のルーティーンが回るのは理解ができます。
しかしいくらなんでもサラのケイトに対する過干渉ぶりに猟奇すら感じたのは私だけでしょうか?
さも当たり前のように時間が流れていくと、他の子供への関心興味が薄れおざなりとなりそれが子供たちの心身に障害をひきおこします。
アナの姉への思い
生まれた理由を知らなくても、アナは純粋に姉妹として「姉の病気を治す」ため、サラの言いつけに従い骨髄移植手術や入院をしていたでしょう。