キッド自身の目的で調査していた際、コナンの大切な人たちが人質に取られていることも知ったはず。
彼らの安否を気にかけていたことは間違いありません。
そして、調査のためだったとはいえ園子のIDを拝借したことで、結果的に危険な状況を招くことにもなりました。
そうしたこともあって、コナン達の状況を最後まで伺っていたのかもしれません。
それがあの最後の活躍にも繋がったのです。
タイトルに込められた意味
オールスターにふさわしく、様々な人物達の活躍によって解決した今作。
改めて、そのタイトルやキャッチコピーの意味を考えてみます。
事件の“本当の”真相
伊藤が期待していた西尾殺害の真相は、警察の調査結果どおりのものでした。
つまりこの作品には、最初から探偵が解明するべき真相などなかったのです。
この事件には最初から必要なかったんですよ、名刑事も、名探偵もね。
引用:探偵たちの鎮魂歌/配給会社:東宝
推理ものといえば、探偵による鮮やかな謎解きが魅力。
無能な警察と有能な探偵という構造も、よくみられるものです。
名探偵に期待するのはある種当然ですが、伊藤はそんな心理を表すキャラクターだったともいえそうです。
そしてコナンは上のセリフで、探偵だけではなく、ちゃんと刑事にも言及しています。
名探偵だけを求める伊藤との対比してみても、両者の意識の違いがはっきり表れているといえるでしょう。
探偵は、いらない
そしてそんなセオリーを覆し、驚きの結末としたのが今作なのです。
これはある意味で、ストーリー自体が観客の予想の裏をかいたトリックだったともいえないでしょうか。
10周年記念作品でこの展開ができたのは、推理作品に精通した原作者やスタッフだったからこそといえます。
そう考えてみると、この作品が更に面白く感じられないでしょうか?
10周年記念にふさわしい作品
本作の脚本は、アニメシリーズの第1話を担当した柏原寛司が担当している
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/名探偵コナン_探偵たちの鎮魂歌
調べると、こんな事実もあります。
名探偵コナンという物語が始まったのは同じく遊園地。そして事件の舞台もジェットコースターでした。
第1話が大いに意識された展開だったと考えていいでしょう。
そしてその時と比較すると、今回は本当に多くのキャラクターが登場し、奔走しました。
コナンという作品が、これまで多くのものを積み上げてきたことがわかります。
この映画は、名探偵コナンの10年という歴史を感じさせるのにふさわしい作品になっているといえるのです。