作中でも「介護疲れ」を起こすジェーンの姿が見られます。3人の子どもを育てながらの夫の介護は本当にきついはず。

また本作監督も介護疲れのジェーンとホーキング博士の関係に、「潤い」を与える存在としてジョナサンを描き出したと語ります。

本作はリアリティを重視した作品で、映画を完成させるまでに何度もジェーンとホーキング博士に取材が行われました。

それから考えると、ジョナサンという存在は本当に2人にとって(とくにジェーン)の「潤い」だったのでしょう。

だからこそホーキング博士も受け入れます。ではなぜ早々には別れなかったのか。

ゴールは「研究を成功させること」

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早々に別れを取らなかったのは、ジェーンにとって「研究を成功させること」が生きる目的であったからだと考えられます。

ジェーン自身、結婚は大成功だったと語っています。その理由として以下のことを挙げました。

  • ホーキング博士が研究結果を出せた
  • 子どもに恵まれた
  • 長い間生きてこられた

子どもには早くに恵まれていました。余命については結果論です。残すところは研究の成功。

このことについてジェーンは、スティーブンにとって「自分自身が命の代理人」と感じていたことを語っています。

つまり研究の成功までの命の代理人であり、ジェーンとスティーブンにとってはそこがゴールなのでした。

そう考えるとゴールしてからは、お互いに生きる目的を別に求めたのかもしれません。

ジェーンとホーキング博士の関係を「大発見者」という面から見る

ホーキング博士の研究結果「ホーキング放射」は、これまでの宇宙科学の常識を超えた理論だったため、全世界の注目を浴びます。

またそれをALSの研究者が発見したため、余計に注目されました。それが二人が離婚を選ぶ理由の一つにもなったようです。

川に身投げを考えても、子どものために踏ん張れるジェーン

​木製の橋川の夕日自然 風景の写真 キャンバス印刷アートポスター(40cmx60cm)

ホーキング博士の気管切開後の様態の悪化は、医者が安楽死を悩むほどのものです。

未来が見えない夫の介護、子育て、仕事など川に身投げを考えるほどの状態にジェーンはなっていました。

それでもジェーンはホーキング博士を死なせることはできなかったと語ります。

当時の辛さは筆舌しがたいものだろうと思われますが、ジェーンは踏ん張りました。研究の成功というゴールを見続けたからです。

そんなタフネスさを持ったジェーンでも、「耐えられない」と思うことがありました。

研究の成功により有名になることが耐えられない

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ホーキング博士の研究の発表により、ALSの研究者ということと、研究内容が一気に世間の目を引き付けます。

ジェーンにとってこれが一番苦痛だったらしく、自分たちの交友関係にいろいろな人が入り込み、家庭生活が辛くなったと語ります。

家族の絆に対して、外的な要因が攻撃をしたのです。おそらくこれが、別れを決める最後の一手だったのでしょう。

ALSという難病が与える本作への影響

ALSは人口10万人当たり約1-2.5人という確率で起きる病気で、そのほとんどが高齢者だと言われます。

現在でも効果的な治療が見つかっていないこの病気だからこそ、本作には大きな影響を与えました。

脚本家がホーキング博士に猛アタック

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