ここで注目したいのは、彼らがただ待っていたわけではなかった、ということです。
ミシェルは「新年の目標」リストを実行。ランディは一緒に閉じ込められたエリースを助けようとしました。
これは、勇気を出して行動を起こせば奇跡は訪れるというメッセージのようにも見えるのです。
大きな代償と覚悟の表れ
また一方、ジョン・ボン・ジョヴィ扮するジェンセンは、上記の二人と違い大きな代償を支払っています。
クレアのスピーチにも励まされ、逃げた恋人のローラに向き合うことを決心。
コンサートの直前キャンセルまでしましたが、これは現実的に考えれば大損害です。
しかしそれによって、恋人ローラの心のわだかまりをついに解くことにも繋がりました。
大きな代償を払うことが、彼の覚悟の証明となったのです。
一度失ってしまったものでも簡単ではないが取り戻せる。
ここにはそんな意味が込められているのかもしれません。
一年越しの奇跡 大晦日のシンデレラストーリー
ここで、年が変わるその時に、運命の再開を果たす二人にも目を向けてみます。
彼らの物語にはどんな意味があったでしょうか。
サムが本当に求めていたもの
華やかな社交界で生きる、サム(ジョシュ・デュアメル)。
パーティ会場に向かうにも浮かない顔をしていました。
怖いのは 他のことね? “彼女が来たら どうしよう”
引用:ニューイヤーズ・イブ/配給会社:ワーナー エンターテイメント ジャパン
そこにこう指摘したのは、彼と比べれば“庶民” の女性。
しかし、彼はそれが図星であることに気づいたのです。自分が本当に求めているものは、誰かと心を通わせることだということにも。
富や名声とは無縁でも、大切なものをちゃんと知っている人がいる。
これは彼が、自分の世界以外にも目を向けるターニングポイントでもあったのかもしれません。
キムが娘ヘイリーに厳しかった理由
そんなサムの相手は、サラ・ジェシカ・パーカーが演じるキム。
彼女は娘のヘイリーを厳しく管理していましたが、その理由もここから推察できます。
一年前のイブ、彼女も逃げてしまった自分をずっと恥じていたのではないでしょうか。
だからこそ、頑なになって自分にも娘にも厳格に振る舞っていたのかもしれません。
ヘイリーの傷心を慰め、絆を回復した親子。逆に娘に後押しされることで、キムは新しい愛に向き合うことを決めることになりました。
サムとキム、二人は一年という時間を経て、新たな価値観を獲得したのです。
一年が終わり始まる時だからこそできる、シンデレラストーリーだといえないでしょうか。
大晦日の病院 その意味
今作では、病院も重要な舞台となっています。