最後に自由奔放になって、自分の最後の我儘を叶えてあげてもいいのではないか?と思ったといえます。
命を削ってでも叶えたかったもう一つの理由は、自分へのご褒美の為ともいえるでしょう。
後悔は残しても、いい人生だったと彼女自身が自分の人生を肯定してあげられるようにしたかったのです。
自分の人生を大切にできるのも粗末にするのも、全部自分次第といえます。
今まで真面目に生きてきた分、ご褒美をもらってもいいですよね、と彼女は神様に願ったのでしょう。
ジンジャーの飴の意味
ジンシャーの飴の意味とは、ずばり人生そのものを表現しているのです。
ジンジャーは、甘くて少し辛味もあります。人によっては苦味もある、という人もいるでしょう。
人生も嬉しいことや楽しい事、はたまた悲しい事や苦しい事、たくさんの事で彩られているのです。
そして飴はなめているうちに口の中で消えてしまいます。
これも人生と一緒です。
口の中でなめていると自然と消えてしまう飴のように、人間は生まれたときから死へと向かっているといえます。
そしてジンジャーの飴はアンと主治医の信頼をつなぐ、大切な架け橋の役割も担っているのです。
最後まで死ぬ事を言わなかったのはなぜ?
アンは、人一倍優しいのと同時に、とても強い女性だといえます。
自分が死ぬ事を誰にも言わないなど、並大抵の根性でできる事ではありません。
しかし余命が限られているからこそ、普通の幸せを感じ、日常の当たり前を肌で感じていたかったのです。
死ぬ事を公にしなかったのはアンの残された人への最後で最大の愛情表現といえます。
残された者にできる事とは
残された家族や、リーはアンの死を悼みながらも、自分なりの幸せを探す姿がラストでは描かれていました。
残された人にできる事とは、亡くなった人の事を決して忘れず、精一杯幸せになることだといえます。
天国というものが存在するのならば、いつかはその世界でまた巡り合えるのですから。
まとめ
「死ぬまでにしたい10のこと」はアンという23歳の女性の、生きた証が力強くしっかりと描かれている作品でした。
“死”というものをテーマにしながらも決して涙・涙だけの映画にはなっていないところが最良点だといえます。
あなたが死の宣告をされたら、死ぬまでにしたい事とは何ですか?