何度言ったらわかるのしんのすけ、帰ってきたらお帰りじゃなくてただいまでしょう。
ふぅこの子ったら大人になったらどうなるのかしら。
引用:クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝/配給会社:東宝
冒頭で登場するこのセリフは、中盤でも語られていました。
言葉遊びともとれるしんちゃん用語は、子供たちに今でも親しまれています。
また下記のセリフも、本作以降しんちゃんを代表するセリフになりました。
「妖怪昼寝おばば」になっちゃった
オラのかあちゃん尻でかっ
引用:クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝/配給会社:東宝
『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』は、しんのすけとみさえのやり取りがサブカル的な現象を生んだ作品です。
5歳児の怪獣ぶりがよく表現されており、しんのすけは未就学児の男の子の代名詞ともなっています。
しんのすけのセリフにフォーカスをあてて、観返してみても楽しめるのではないでしょうか。
様々な絆を描く作品
本作では裏切りと絆が対照的に描かれていました。
野原家はいつもお馬鹿なことばかり、いっていますがその根底には強い絆が見え隠れしています。
しんのすけとひろしの絆
スチュワーデスの乗っていない飛行機を嘆くシーンなど、しんのすけとひろしの男同士の会話が随所に観られます。
劇中で次々に起こる不幸をみさえのせいにしていたひろしですが、どんな時もしんのすけを思う姿は父親として理想的なものです。
しんのすけが大人になっても、二人の関係性は変わらないのではないでしょうか。
死線を超えて生き抜く姿
野原家は劇中で何度も死線を超え困難な状況に落ちていきますが、その度に前向きに進んでいきます。
どんな時も家族で助け合い困難を乗り越えていくのが、クレヨンしんちゃんの映画といえるでしょう。
本作でも家族一丸となって前に進む姿が描かれており、しんのすけがムードメーカーとして描かれているのは子供が家族を癒すのだと語り掛けているようです。
また劇中に蝶が登場しますが、蝶は幸せを運ぶものの象徴といわれています。
蝶の登場はその後のストーリーの伏線となる存在なのです。
敵は自ら滅んだ
本作の敵は、いわば自ら滅んでいったことになります。
数々の裏切りと、自己中心的な考えがホワイトスネーク団の破滅へと繋がっていったのでしょう。
野原家とは全く対照的な描かれ方をしています。
改めて「絆」というものを考えさせられるシーンです。
時代を経ても色褪せない名作
野原一家に王国、オカマの悪役と個性的なメンバーが登場する本作は、時代を経ても色褪せないストーリー性を持っています。
またお笑いの中にも絶妙な人間関係が描かれており、人を思う気持ちや裏切りの気持ちなどが巧みに詰め込まれていました。
『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』は、時を経て何度も楽しめる名作アニメといえるのではないでしょうか。