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映画『テラスハウス クロージング・ドア』は2012年〜2014年に人気を誇った番組「テラハウス」の映画化作品です。
監督は前田真人、主演に菅谷哲也を据えて脇を松川佑依子らが固めるという非常に閉鎖的な図式になっています。
2年間のシェアハウスを経たメンバーたちのその後や新しい住人たちの様子という後日談形式です。
「台本がない」という構成からスタートしたリアリティショーとしてすごく革新的な作品でありました。
6人の男女のその後と新しく入ってきたメンバーたちがどのようなドラマを作るのでしょうか?
本稿ではてっちゃん・オタベ・ゆいちゃんの三角関係を掘り下げて解説していきます。
また、ラストで描かれるクリスマスの夜の結末も併せて考察していきましょう。
シェアリング(共有)の時代
本作を考察していく上で1つの大きな特徴となっているのが”シェアリング“(共有)です。
昔はこのようなシェアハウスでの生活は寮生活や家族以外にはあまり考えられませんでした。
しかし、今では異なる人達が1つ屋根の下で暮らすことがスタンダードになりつつあります。
「テラスハウス」はそうしたルームシェアを1つの娯楽として成立させることに成功したのです。
戦略面も非常に練られていて、テレビや映画のみならずNetflix版まで製作されています。
核たる部分はとてもシンプルでありながら、アプローチが時代の最先端を行っているのです。
ルームシェアを始め様々なことが「共有」される時代が来ることを意味しているのではないでしょうか。
てっちゃん・オタベ・ゆいちゃんの三角関係
非常に斬新な仕掛けがなされている本作ですが、中心はてっちゃん・オタベ・ゆいちゃんの三角関係です。
この3人の関係性についてネタバレを含めながら考察していきましょう。
恋に恋するてっちゃん
まず3人の関係性自体は特別に深いものでも濃いものでもないありがちな恋のライバルです。
てっちゃんとオタべがゆいちゃんにアプローチをかけているという感じでしょう。
そしてゆいちゃんはどっちつかずな小悪魔的態度を貫いているという状態なのです。
特にてっちゃんがそうですが、彼は「恋に恋している」のではないでしょうか。
本気でゆいちゃんが好きというより、ゆいちゃんを追いかけている自分が好きなのです。
そしてそれはオタべとゆいちゃんに関しても共通しています。
正攻法過ぎるオタベ
オタべの場合はあまりにも正攻法すぎてアプローチにあまり捻りがありませんでした。
デートに誘うにしてもなんにしても真正面以外の方法で仕掛けられないのです。
それが正直さや誠実さでもあり、実際にゆいちゃんの心を動かすことには成功しました。
しかし、そこから更に奥へ踏み込んでいこうとする際の発展のさせ方を彼は知りません。
あまりにも仕事に精を傾けてばかりいたことが良くも悪くも彼の特徴となっています。
どっちつかずのゆいちゃん
そしてそんな2人を終始小悪魔のように翻弄し続けるのがゆいちゃんの立ち位置です。