出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B007UVGL3M/cinema-notes-22
2010年公開の映画、127時間。
監督はスラムドッグ$ミリオネアのダニー・ボイル。
極限状況におかれた人間の鬼気迫る描写も必見です。
ここではこの映画ならではの見どころと、ストーリーについて解説します。
実話をもとにしたストーリー
この話は、実話をもとにしていることをまずおさえておきます。
登山家のアーロン・リー・ラルストンの自伝『奇跡の6日間』(Between a Rock and a Hard Place)を原作としており
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/127時間
主人公アーロンの体験したことや感じたこと。
それら映画の中で描かれた内容が、実際に起こったことだと知るとまた違った見方ができるでしょう。
飽きない展開と切迫感を覚える映像の魅力
映画の舞台は、大地の裂け目の中。
主人公のアーロンが、腕を岩に挟まれて動けない状況から変わりません。
いかに脱出するかがストーリーの肝になっていることは間違いありませんが、それ以外に話の展開で大きな動きは無し。
それでも飽きずに見られるこの映画の特徴はどんなものだったのでしょう。
時間の描写 迫るタイムリミット
この映画では、時間の描写が多く取り入れられていたのにお気づきでしょうか。
事故が起こってからの日数や曜日、ビデオカメラの撮影時間などなど。
具体的な描写は、観客にリアルな想像を促します。
1日のうち15分だけ差し込む日差しに必死に足を伸ばすシーンなど、身動きが取れない彼の辛さをよく表しているでしょう。
これは一種、アーロンの状況を追体験していると考えることもできるのです。
狭い空間で身動きが取れなくなった時、もし自分だったらどうするか?
喉の渇きや飢えは。脱出するには……。
そんなことを否が応にも考えさせられる描写なのです。
こうして観客は極限状況におかれたアーロンから目が離せなくなるのです。
陽気な演出
他にも、途中途中で挟まれるコメディ調の演出も、飽きさせない工夫に一役買っています。
時には分割画面でノリのいい音楽まで流れ、単調になりません。
まるでミュージックビデオのようでもあり、深刻さを感じさせないのです。
ただ、もちろんそれは現実ではなく、アーロンの妄想だったり記憶の映像であったりします。
そしてこの演出こそが、この映画ならではのポイントとなってくるのです。
希望と絶望の波
コミカルな演出は現実ではありません。
夢から覚めた時の現実との落差は、希望が絶望に変わる瞬間でもあります。
車に置いてきた、ボトルに水が滴るジュースの幻を見たときの心境は?
大雨が降って奇跡の脱出を遂げることができたのが、夢だと分かった時は?