マサコがフィンランドに残る理由としては見知らぬおじさんから猫を預けられたから帰れなくなったから。
ですが猫の問題は日本へ連れて帰る、里親探し、おじさんに訳を聞くなど様々な方法で解決することができます。
何もかもめ食堂に残る必要はないのです。
ならマサコはどうしてかもめ食堂に残ろうと考えたのでしょうか。
サチエやミドリの新しい考え方に感化されたから
親の介護を長い間ずっと任せられてきたマサコ。
彼女は20年間の足枷が下りたと話していました。
両親への奉仕を人生の大部分を占めていたマサコは自分の幸せを後回しにしていたかのようにも見えます。
加えて丁寧な口調や仕草から伝わるのは彼女の誠実さと堅実さでしょう。
そんなマサコの真面目な考え方と裏腹な向こうみずで若干大雑把なサチエの価値観に無意識のうちに惹かれたのではないでしょうか。
とても楽しそうだったから
酔いつぶれたフィンランド人の女性を家まで送り届けた後にマサコは何も言わずにその女性の話を聞いていた場面がありました。
フィンランド語が分からないのに関わらず女性の身振り手振りから想像して内容を全て理解することができます。
ここから推察するに彼女は直観力の強く、感受性に優れた人物だととれるでしょう。
そんな彼女はかもめ食堂に滞在することが直感的に「楽しい!」と強く感じたのかもしれません。
そのことから本能の赴くままにかもめ食堂に残ろうという決心を固めたのではないでしょうか。
マサコがフィンランドへ来た理由
自分でも何故フィンランドへ来たのかよく分かっていなかったマサコ。
それは彼女の今の状態、鋭い直観力で自然と引き寄せた出来事だったのかもしれません。
かもめ食堂はある意味サチエやミドリ、マサコのためにあり来店する皆のためにあるお店です。
そこは人生のバイブルのような場所なのでしょう。
かもめ食堂の二つの謎
荷物の中に入っていたキノコの意味とは
荷物が見つかったと連絡があったときその荷物の中には大量のキノコが入っていました。
しかも黄金に輝いており、元の荷物が返ってきたとは到底思えないでしょう。
映画の中で最も謎の多いこのシーン。一体このキノコの意味は何を指しているのでしょうか?
キノコはマサコそのものの心境を表している
トランクの中にぎっしり入った黄金のキノコはこれから日本へ帰国するマサコの心境を表しているという説です。
そもそもこのマサコの落とし物や失くしものの出来事はマサコのアイデンティティの喪失と並行して起こっている。
そんな解釈ができるのではないでしょうか。
マサコは長い間両親の介護をしてきて自分を犠牲にした生活を送っていました。
これは自分の人生ではなく他人の人生を歩んできたようなものです。