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【イントゥ・ザ・ワイルド】は、ノンフィクションの作品である「荒野へ」が原作になっています。
原作の作者ジョン・クラカワーは、大学卒業後のクリスの人生を追い、彼に遭った人々の情報からこの作品を生み出しました。
いったい、原作者はクリスの気持ちをどう捉え、何を伝えたかったのでしょうか?
原作やクリスが旅に出た理由、バスで最期を迎える意味やクリスがこだわりを捨てられなかった理由、手帳の一文の真意について考察します。
この考察を読んでいただき、クリスの考えや原作者の考えを通して【イントゥ・ザ・ワイルド】は人生を豊かにする作品の一つとなるでしょう。
映画では描かれなかった原作のクリスの母の言葉についてもご紹介します。
原作について
クリスの気持ちを語るうえで原作についての知識は欠かせないといっても過言ではありません。
なぜなら、映画では主人公の目線からの話が主軸に構成されているからです。
原作は客観的に主人公を見て構成されていて、原作者の体験談を通じた主人公の気持ちの理解など様々な目線から主人公を考察しています。
また、監督のショーン・ペンがこの本を読んで感動して映画を作ったことも理由のひとつです。
気になる方はぜひ読んでみてください。
原作「荒野へ」
原作者のジョン・クラカワーは作家でありながら、登山家としても有名です。著書もアウトドアや登山に関するものが多いです。
そんなアウトドアを好むジョンだからこそ、クリスの気持ちに寄り添うことができ、この作品が評価を得ているのでしょう。
ジョンはこの作品を書くにあたり、クリスに関わりのある場所へ行きます。
そこでクリスを知る人たちから話を聞いて取材をしていました。
その情報や自身の経験からジョンは彼の死について原作でこう語っています。
「アラスカ冒険旅行で私が生き残りマッカンドレスが命を落としたという事実はほとんど偶然にしか過ぎない。。私が氷冠から戻ってこなかったら死を望んでいたといううわさが飛び交っただろう。。だが死の衝動には駆られていなかった。。。ただ死すべき運命という謎めいた神秘には心を揺さぶられた。死の間際まで近づいていき崖っぷちから覗き込まずにはいられなかった。それは死の願望とは全く異なるものであった」
引用:原作「荒野へ」
モデルになった事件
1992年に青年が放浪の末、アラスカで死体で発見された事件です。
アラスカの荒野にあるバスの車内で餓死しているのが発見されました。
この青年はアレクサンダー・スーパートランプと名乗りますが、このスーパートランプには「放浪者、漂流者」という意味があります。
また、貯金を全額寄付したり、身分証を燃やしたりしたことも実話です。
こういった行動から青年は強い決意があって行動していたと推測できます。
クリスが旅に出た理由
クリスが旅に出ることになったきっかけは大きく2つあると考えられます。
家庭の環境
ここは作中も表現されていたのでかなりわかりやすいのではないでしょうか。
両親がよく喧嘩していた、父に不満があるなんて話はどこにでもある一般的な話の域を出ないものです。
しかし、喧嘩をしている親を見たくないからと家を出て旅をしようと思う人は、ほとんどいないでしょう。
ここで、もう一つの彼が旅に出るきっかけとなったものが重要になってきます。
クリスが好んだ哲学者の影響
クリスは大学を優秀な成績で卒業できる賢い頭脳を持っています。