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『ミスター・ノーバディ』はフランス・ドイツ・カナダ・ベルギー合作映画で2010年1月にフランス、ベルギーを皮切りに公開されました。
監督はジャコ・ヴァン・ドルマル、主演はジャレッド・レトです。第66回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品されました。
科学の進歩で人に「永遠の命」が与えられた2092年「寿命のある人類」の最後の1人となったニモが、死を目前に過去の自分を探す物語です。
ニモ・ノーバディの誕生
忘却の天使に記憶を消されないままニモ・ノーバディは、これから起こる記憶をもち自ら親を選び生まれてきました。
人は経験を重ねてさまざまなことを学習し失敗から学んで成長していきます。その反面、本能や遺伝子レベルで防衛や制御をします。
ニモは生まれる前の記憶を「予知能力」として持って生まれますが、それはちょっとしたバタフライ効果で記憶違いな結果を起こします。
9歳から34歳までの12通りの生き方
不死の世界で寿命のある最後の人間ニモはその最期が118歳の誕生日と予知され、その前に寿命のあった時代の記憶を聞き出されています。
「あの時、別の選択をしていたらどうなっていただろう?」と1度は考えることがありませんか?
この映画はニモが9歳から34歳までの人生の岐路で、そのつどさまざまな選択をし12通りの人生を生きたストーリーです。
どれが本当の人生だったかはニモにもわかりません。しかし、ニモが望んだ人生にするためには2092年まで生きる必要があったのです。
ニモ9歳の選択
時間は一方向で進む「超ひも理論」で動いています。時間を戻すことはできないので「正しい選択」をしなければなりません。
予言できるニモはどちらかを選ばなければならない岐路にあたると、どちらが正しい選択なのか悩むのです。
そしてわずか9歳のニモに、人生を左右する究極の選択をせまられるできごとがおこります。
3人の少女との出会い
9歳のニモは3人のガールフレンド、青い服を着たエリース・黄色い服を着たジーン・赤い服を着たアンナと出会います。
特にニモは赤い服を着たアンナのことが気になっています。これはニモの母親が「赤」を好んでいたふしがあるので、その影響もあるようです。
ニモはかなづちでしたがアンナは飛び込み台からプールに飛び込み、しなやかに泳げる少女でニモはその姿に魅了され好意をいだきました。
両親の離婚そして究極の選択
母親が好意を寄せるアンナの父親と不倫をしている現場を見てショックをうけます。
それだけでもショックですが…しかも離婚するとはトラウマレベルです。
心が混乱したまま母親が別の街へ行く日がきて、ニモは母親についていくか父親の元に残るか究極の選択を迫られるとは残酷すぎます。
しかし、この選択からニモの「12通りの人生」がはじまりニモの謎につながるのです。
ニモ15歳「母についていく」選択
母親について行ったニモの人生は赤い服の「アンナ」とのなれそめ関係につながります。
アンナとの人生の中でもさらに3つの人生に分かれて展開していきます。
アンナの誘いにどう応えるか?
ニモの通う学校にアンナが転校してきます。ニモはアンナを意識しはじめアンナもまたニモが気になりだしていました。
クラスで海に泳ぎに来た時にアンナはニモと親しくなろうとこう誘います。
「ねえ、みんなと泳がないの?一緒に泳ぎに行きましょうよ」
引用:ミスター・ノーバディ/配給:パテ
ここでニモの最初の分岐があります。ニモはかなづちでしたが思春期だったせいかそのことを言おうかどうしようか迷います。
第①の人生
ニモ:「バカと一緒には泳がない」
アンナ:「何よ感じ悪い!」