レコード会社から売り出す為のレコードの音源を収録する際、1900は窓から見える女性に一目惚れをします。
その際に即興で出来た曲が「愛を奏でて」です。
1900にとって最初で最後の恋は彼にとってどんな影響をもたらしたのでしょうか?
一目惚れが名曲を生み出した
心の綺麗な人物である1900の心情が非常に繊細で美しく表現されているのが「愛を奏でて」です。
彼自身も予想していなかったであろうこの名曲の誕生。
このレコードが世に出回る事はありませんでしたが、この恋愛は彼に“行動力”という勇気をもたらしました。
女性に声もかけたことのなかった1900が、ある一人の女性の存在で一旦は船を下りる事をも決意させるのです。
この恋は実りませんでしたが、1900にとってただ生涯一人だけの特別な存在となりました。
僕の音楽だ
「愛を奏でて」の原盤を女性に渡せなかった1900ですが、この時に彼はこの曲は自分が作った音楽なんだという主旨の事を初めて口にします。
今まではただ演奏する事が楽しくて弾いていた彼にとってのピアノが、この時人生で初めてそれ以上の意味を持ったのです。
「愛を奏でて」の美しいメロディーラインは彼自身の素直で純粋な心の投影と呼べます。
1900は幸せだったのか?
生涯船を下りることなく船と共に運命を共にした1900はある意味不幸で、ある意味幸せだったといえます。
しかし彼の唯一の友人であったマックスが「愛を奏でて」の原盤レコードをこっそり残していた事で1900の人生は報われたのです。
彼がこの世を去った後も自分の音楽を聴いてくれる人がいる。
この事は1900にとってこの上なく幸せな事で、彼が確かにこの世にいたという存在証明なのです。
日本未公開の完全版映画が存在する
この「海の上のピアニスト」はイタリアで公開された当時、160分の大作映画でした。
しかし子供時代のエピソードが大幅にカットされているなど、日本では完全版のDVDは発売されていません。
完全版ならではのエピソードや感動も大いにあるといえるので、イタリアの原盤を取り寄せるなどして鑑賞してみるのもいいでしょう。
まとめ
「海の上のピアニスト」は「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督も務めたジュゼッペ・トルナトーレが監督しただけあって、美しい音楽映画です。
「ニュー・シネマ・パラダイス」も音楽が印象的ですが、この「海の上のピアニスト」も奏でられる音楽なしでは成り立たない映画となっています。
この映画は実話ではありませんが、あたかも1900という人物が実在したかのように思えるのがこの映画のすごいところです。
感動の渦が押し寄せて止まらないこの「海の上のピアニスト」。
数々の美しい音楽が収録されたサウンド・トラックも発売されていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。