出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07MM4MDP5/?tag=cinema-notes-22
日本に住んでいると馴染みのない異文化の1つスラム。
そのスラムの治安の悪さ・衛生面・貧困・ギャングなどの問題に真っ正面から向き合った映画がシティ・オブ・ゴッドです。
ネガティブな内容に反して軽快且つポップな演出や編集でアカデミー賞4部門にノミネートされたことでも話題となりました。
日常生活で強盗などの犯罪や銃弾が飛び交う中、ブスカ・ぺは何故カメラマンを目指したのでしょうか?
そしてスラムの王リトル・ゼはラストに何故銃撃されなければならなかったのかを解説してゆきます。
ブスカペがカメラマンに憧れた理由
映画の主人公であるブスカ・ペは神の街というスラム街で何故カメラマンという道を選んだのでしょうか。
劇中の発言や気持ちを読み取り考察してゆきます。
「ギャングにならない」という進路
物語冒頭の1960年代神の街は家は点々と建つばかりで道路の境などもなく、ほぼ砂漠のような状態の街でした。
そこに暮らす人々の仕事は漁業や肉体労働になるのか、略奪や犯罪で日銭を稼ぐギャングになるのかといった状況だったのです。
「救助員になれるかな。魚売りよりはいい。」
引用:シティ・オブ・ゴッド/配給:アスミック・エース
ブスカ・ペの友達はこのように話していました。学校へ行く子ども達は努力をして少しでも現状よりも多くの給料を得ようとします。
魚売りでのような稼げない仕事やギャングのような先の見えない犯罪集団よりも、好きなことで稼ぐ道を目指したのではないでしょうか。
好きな人との時間を残す写真
ブスカ・ペは仲間の写真を撮影するというよりもアンジェリカが被写体の写真や彼女中心とした仲間の写真を撮影していました。
娯楽の少ないスラム住まいのブスカ・ペにとっては、仲間やアンジェリカと過ごす時間はかけがえのない時間のはずです。
かけがえのない時間を形として残してくれるカメラが大好きだったのではないでしょうか。
そして、その思い出を形に残した写真やフィルムがお金になることも同時に知るのでした。
見て見ぬふり
劇中車で突っ込まれた飲食店の客や強盗に入られている商店も警察には被害を申し出ていません。
理由は明確でギャングからの報復を恐れていたからです。
ブスカ・ペは新聞を手に取り、自己表現をしているカメラマンを目にして「自分もこうなりたい」と強く思ったのではないでしょうか。
物語の舞台「貧困街:ファヴェーラ」
ブラジルにあるスラム街を総称してファヴェーラと呼び、シティ・オブ・ゴッドの舞台はまさしくファヴェーラです。