劇中では解説されていない、ある種「当たり前」となっている現状を解説してゆきます。
違法居住
ファヴェーラの多くは不法居住者が建てた小屋が立ち並んでできた集落であるため、住んでいること自体が違法の場合があるのです。
さらには電気も盗電であったりするなど、劇中の彼らの生活はそもそも犯罪の上に成り立つものだったのでした。
ハッパや銃を持っているから大人という間違った概念が子ども達に浸透しているのも頷けてしまう環境なのです。
実在した神の街
本作に登場したセヌーラのモデルとなった人物がリトル・ゼとの争いなどに応えているインタビューがあります。
本作に登場する人物や出来事だけでなく登場する舞台は本当に実在する街だったのです。
警察までもが信用できない存在
リトル・ゼとセヌーラの抗争に使われていた銃は他でもない警察の横流し品。
さらにリトル・ゼがすぐに釈放されたのも払わなかった銃の代金を支払わせるためであり、都合のよい金づるだったためです。
本来市民が頼るべき警察までも犯罪を犯す過酷な無法地帯なのでした。
ラスト、リトル・ゼが子ども達に撃たれた理由
警察から釈放された後にリトル・ゼは非業の死を遂げてしまいます。
リトル・ゼは何故子ども達から射殺されなければならなかったのか?
ストーリーや神の街の未来を踏まえて解説します。
次の王座は誰の手に?
神の街の実権を握っていたのは他の誰でもなくリトル・ゼでした。さらに対抗していた組織のセヌーラも逮捕されてしまいます。
子ども達はラストシーンで丸腰であったリトル・ゼを殺してしまえば自分たちが街を手中に収めるチャンスが巡ってくると考えたのです。
また、子ども達はリトル・ゼから痛めつけられた子ども達であり最後の銃撃は報復であったともいえます。
リトル・ゼは悪だったのか
犯罪や強盗に囲まれた神の街ですがリトル・ゼが支配することによって、警察が寄り付かないよう身勝手な犯罪をさせないようにしていました。
日本の戦国時代のように統一され、結果だけを見れば街は以前よりも小さな犯罪は落ち着いたのです。
あらゆる犯罪が巻き起こる環境でリトル・ゼのような人物は必要悪のような存在だったのではないでしょうか。