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「メアリと魔女の花」はスタジオジブリに所属していた米林宏昌監督が手がけた2017年7月に公開された映画です。

スタジオジブリの制作部が解体された後に設立されたスタジオポノックによる最初の長編アニメ作品となりました。

ジブリ作品をイメージさせるような作風ですが、今回は「メアリと魔女の花」を真の意味で味わうために必要な知識を徹底的に解説していきます。

作品に関するさまざまな知識や背景を知っておくとまた違う角度から作品を楽しむことができるでしょう。

「メアリと魔女の花」の原作

映画「メアリと魔女の花」は1971年に刊行された児童向け文学が原作となっています。

作者はイギリス人のメアリー・スチュアートで原作のタイトル訳は「小さな魔法のほうき」です。

原作「小さな魔法のほうき」にまつわる話

The Little Broomstick: Now adapted into an animated film by Studio Ponoc 'Mary and the Witch's Flower' ” width=

タイトルは異なりますが、映画「メアリと魔女の花」は原作「小さな魔法のほうき」とほぼ同じ流れでストーリーが構成されています。

ほうきや魔法の学校が登場することから原作はハリーポッターのコピーではないかという噂も出たようですが、「小さな魔法のほうき」はハリーポッターが発売される25年以上も前に刊行されています。

また主人公の名前は作者と同じ「メアリ」という名前で描かれています。

原作では主人公がメアリというどこにでもあるような名前にコンプレックスを持っていますが、作者は同じ思いから敢えて主人公に自分の名前を付けたのかもしれません。

映画ではメアリが赤毛をピーターにからかわれて不機嫌になる場面もあるので、どちらにしてもコンプレックスのある主人公として描かれています。

さらに映画では説明がされていませんが、原作で登場する呪文はマザー・グースの歌詞がベースとなっているそうです。

「スタジオポノック」初めての長編アニメ作品

「メアリと魔女の花」は一見するとジブリ作品ではないかと勘違いしてしまいそうですが、「メアリと魔女の花」はスタジオジブリではなくスタジオポノックが制作した最初の作品です。

ジブリ作品を手がけてきた米林宏昌監督

Mary & The Witch'S Flower [Edizione: Stati Uniti]” width=

「メアリと魔女の花」はスタジオポノックが誕生してから初めて長編アニメ作品として制作された映画です。

米林宏昌監督はスタジオジブリ時代に「借りぐらしのアリエッティ」と「思い出のマーニー」を手がけており「メアリと魔女の花」は監督として携わった3作品目となります。

米沢監督は「メアリと魔女の花」の制作にあたり「思い出のマーニー」とは対称的な作品を作ろうと考えたそうです。

「思い出のマーニー」の物静かな主人公とは真逆で活発的なメアリを描くために、動く描写技術に長けているアニメーターを集め制作に取り組んだと語っています。

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