母の職場にタイムリープしたような場面では、タイムリープをして自分が起こしてしまった罪への後悔の様子が窺えます。
戻って進む時計は少年Aの後悔のシンボル
このタイムリープシーンで出てくる時計は、少年Aの気持ちを表している重要なアイテムです。
爆弾のスイッチを押し母を殺してしまったため、爆破するまでの時間を巻き戻し止めたい、と願った少年Aの後悔の気持ちが時計に現れています。
タイムリープで見かけた母の姿は少年Aの望みそのもの
タイムリープで見た母の姿は、自分が理想とする母親そのものでした。
今でも自分のことを忘れておらず、少年Aのことを思いながら涙する母親の姿に少年Aは束の間の喜びさえ感じているようです。
想像の中だけでも、母の関心が自分に向くことを願い続けた少年Aの気持ちが窺えますね。
森口先生はなぜ犯人を殺さないのか
娘を殺された森口先生は、自分と同じように大切なものを失うことの辛さを味わわせるため、あえて犯人を殺すことはしなかったのです。
その真意には何があったのか探りましょう。
犯した罪の重大さを理解させたい
娘を殺した少年Aと少年Bの存在に気づいていた森口先生ですが警察に訴えることもできたはずです。
しかし、あえてそれをしなかったのにははやり復讐という強い意識があったからでしょう。
少年法に守られている彼らをすぐに警察に突き出したところで、彼らの罰は目に見えてわかる程度のものだからです。
もちろん森口先生が少年Aと少年Bを直接殺しても意味がないと思ったのでしょう。
彼らは娘を殺したことに対する罪の意識がなく後悔をしないまま死ぬため、直接手を下すことをしなかったのです。
母である森口先生の怒りと悲しみが「復讐」となり、加害者たちの人生を飲み込んでいく…。
そんな森口先生の気持ちを思うと胸が痛む視聴者も多かったはずです。
罪を背負って生き続けることが本当の復讐
少年Bへの復讐は、精神を病ませた上で一番愛してくれた母を殺した罪を一生背負って過ごす、という形で成し遂げます。
少年Bに直接会わず、後任の先生やクラスメイトを上手く使うことで復讐を成し遂げる、森口先生の冷静さと残酷さを垣間見ることができます。
少年Aは、自分自身が死ぬことや警察に捕まることに恐れている様子がありませんでした。
そのため森口先生は、少年Aの最大の弱みである自分を捨てた母親を危険に晒すことで復讐しようと考えつきました。
自分の娘やクラスメイトを殺したことを気にもとめず、自分と母親のことしか考えていない少年Aの幼稚で危険な考えを正したかったのかもしれません。
そして何よりも、大切な人を失う辛い気持ちを突きつけることが森口先生の復讐だったのです。
森口先生が流した涙と言葉の真意
絶望に打ち拉がれる少年Aに向かって森口先生が最後に言った言葉と共に、流れた涙や複雑な表情に込められた真意を探りましょう。
流れた涙は復讐が成功したことを表すのか
ラストシーンで娘を殺した少年Aの頭を掴み、涙を流した森口先生。その涙は、少年Aへの復讐が終わったことを表しています。