この絵本の主人公は大貫そっくりでした。最初にパコが読んでいるのを聞いてそう感じたのでしょう。
ガマ王子が自分にそっくりだったから
物語の内容が自分が今までしてきたことと同じで読んでいるうちに自分と重ね合わせていたのです。
それと同時に自分のしてきたことが間違いだと気づきます。
まるで自分が絵本の中にいるのではないかと感じていたのではないでしょうか。
絵本じゃない世界も見せたかった
絵本の中だけじゃなくもっとパコに楽しんでもらいたかったし体感してもらいたかったのでしょう。
絵本の中の狭い世界ではなく絵本のキャラクターを実際に見せてあげたかったのです。
パコを幸せにするためにここにきたのだと医者にいわれたことでその役目を果たすために劇を作ろうと考えました。
苦しんでいる患者たちにも元気を与えたかった
パコの笑顔と絵本のおかげでクソじじいだった大貫はだんだんと嫌っていた他の患者たちにも心を開くようになります。
自分一人で劇はできません。
プライドを捨ててまでナースや患者たちに頭を下げることでいままでしてきたことを謝罪しているのでしょう。
それぞれにいろんな人生が
人のことなど興味のない大貫でしたがパコの笑顔に癒されて少しずつ優しい心が芽生えてきました。
今まで自分以外には興味がなかったけど人の話に耳を傾けるといろんな人生を送ってることも知ることができたのです。
自分だけが頑張っているのではない
自分だけが辛いんじゃないということや自分だけが一人で頑張っているわけではないこと。
人それぞれに痛みをもっている。そんなことに気付いたのだと思います。
だからみんなで力を合わせて一緒に劇がしたかったし、みんなを元気づけたかったのでしょう。
物語の最後を読んであげていなかった
大貫はいつもお話の最後は読まずにいたのではないのか。
最後まで読んでしまうと自分がいなくなってしまうことを恐れていたのかもしれません。
大貫を改心させるために贈られた天使
あれだけのお金持ちがあの不思議な病院に入院したのはこれまでの行動を正すためなのでしょう。
天使のようなパコと出会ったのは自分の弱い心に気づくこと。
そして大貫が改心したことによってパコの寿命も長くすることができたのです。
絵本の結末を聞いたから
今までしてきたことを反省して謝罪する絵本の中のガマ王子。
何度も何度もザリガニ魔人に立ち向かっていくことで自分の今までの行動が間違っていることに気づきます。
自分が絵本の主人公になりきることでみんなに謝ることができたと思ったのです。
本当なら大貫と会えていなかった
本来なら大貫と会えていなかったかもしれなかったパコ。
一緒に絵本を読んで過ごしていたけど病気のパコはそれほど長い時間一緒にいることができなかったのでしょう。
いつも物語は途中で終わっていたのだと思います。
サマークリスマスでは大貫が最後まで読んでやってくれといいます。
ガマ王子が死んでしまい絵本の中から出て行ってしまったのでパコももとの世界に帰って行ったのでしょう。
絵本の中にいる自分に別れを告げた
真夏のクリスマス会の劇が終わり自分は死んだと思った大貫が目覚めた後、生きていることに喜ぶ。
しかし今度はパコが昏睡状態に。
昏睡状態に
あんなに元気だったのになぜ昏睡状態になったのでしょうか。
本来なら天国に行っているはずのパコでした。