引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/B009NPBLS8/?tag=cinema-notes-22

小説家伊坂幸太郎の小説「重力ピエロ」が、映画となった作品です。

何件も続く放火事件やレイプなどヘビーな題材を扱うのにも関わらず、どこか青春ドラマっぽい色調に興味が湧きます。

ミステリー作品ですが、全体にほのぼのとした色調があるのは、どのような意図があるのでしょうか?

そして、この表題の「重力」とは何を指しているのでしょうか?

作品に込められたメッセージを、事件の推理の傍で考えてみました。

春と泉水が仲の良い兄弟の理由

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父が違う二人

春は、背が高くハンサムで芸術性の高い弟、対する兄の泉水は、理系大学院生で真面目な風貌です。

見た目も性格も似ていない二人が、なぜかとても仲が良いです。特に弟の春が兄を慕っているのがわかります。

ある程度の年齢になったら、兄弟がそこまで一緒に行動することは珍しいです。

何かお互いを庇い合っているような印象を持ちます。何か特別な絆がある兄弟だから、お互いのことを思いやっているように見えます。

同じ思いを共有している

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母親がレイプに遭いその時できた子供である春は、人から後ろ指を刺され嫌な思いをして育ちます。

それを兄の泉水が庇ってきたから、ある種の特別な関係性が出来ているのです。

グラフィティアートの謎かけや、放火の件も、自分一人の犯行としませんでした。兄に見ていてほしかったのです。

それはある種の浄化の儀式だったので、兄に自分のことを見守っていてほしかったのと、兄からの承認が必要でした。

遺伝か環境か

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人格形成の要因は、遺伝が強いのか環境の影響下にあるのか、見解が分かれるところです。

弟の春の飛び抜けてハンサムな容姿や長身、芸術の才能を見ていると、遺伝子の影響の強さを思わずにはいられません。

新生児取り違え事件

映画の中には出てきませんが、1953年に実際に、赤ちゃんが産院で取り違えられた事件がありました。

誰もその事実を知らずに、取り違えられた新生児は、血の繋がりのない家庭で成人します。

まるでドラマのように、一方は裕福な家族、一方は貧困家庭でした。

裕福な家族は、そのような行動傾向を持つ遺伝子を持つファミリーです。

そして食べるものにも困るような貧しい家庭では、そのような結果をもたらしてしまう行動傾向を持つ人たちが集まっていました。

お金持ちの遺伝子を持つ子は、貧しい家で育ち定時制高校を出てトラック運転手になりますが、とても親孝行だったようです。

一方で元々貧乏だった家の子供で裕福な家に育った人は、大学を出て一流会社に勤め、遺産相続もします。

けれど相続の際のトラブルで家族から眉をひそめられるような存在でした。

この事件から、社会的立場という視点でみると、環境の影響は乗り越え難いが、性格という面では、遺伝子の影響が強いと考えられます。

遺伝の影響を乗り越えようと

見た目や持って生まれた才能、内側から湧いてくる衝動などは、遺伝的な影響力の強さを否定できません。それが、春は怖かったのだと思います。

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