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リンカーンが脊髄損傷により動けないが、頭脳と伝令を使って問題を解決する、新しいスタイルのサスペンス映画『ボーン・コレクター』。
犯人であるリチャードが殺人者の記録をもとに殺人を再現する様子は、まさに狂気的です。
そこで気になるのが、リチャードはなぜ本の記載通りに殺人を実行しているのか。
サスペンス映画なので深いところまで追求したがる人が多く、疑問を抱えている人もいるようです。
さらには、映画ラストで献身的に支えてきたセルマが刺されたシーンも衝撃的でした。
そこで今回は、リチャードが本に執着する理由と、セルマとチェイニーのその後について考察します。
リチャードが本の通りに殺人する真意を読み解くために
リチャードはそもそも本の通りに殺人を繰り広げるのはなぜでしょうか。
その真意を探るためには、映画中で詳しく説明されなかった以下の点を整理する必要があります。
- 本の存在をどこで知ったのか
- リンカーンへの恨みならば、本の通りに殺人をする必要はない
- 本当に本に忠実に殺人を行っているのか
この点を洗い出せば、リンカーンへの復讐のために殺人を犯したリチャードの真意が見えてきます。
犯人のリチャードはどこで『ボーン・コレクター ある殺人者の記録』を知ったのか
犯人のリチャードは『ボーン・コレクター ある殺人者の記録』をもとに、殺人を繰り広げます。
リチャードは元警察官のマーカス・アンドリュー。元警察官ということが最大のポイントです。
警察官ということは、これまでの殺人事件にもアクセスできます。
そのことから、警察官時代に本の存在をリチャードは知ることができたと考えられます。
目的がリンカーンへの復讐なら、本は必要ないのでは…?
犯人のリチャードが目指していたのは、自分の捜査証拠の捏造をバラされたリンカーンへの復讐でした。
しかし、リンカーン以外の被害者を巻き込みながら物語は進展します。
最後にはセルマやチェイニーでさえも被害を受けました。そこで疑問に思うことは復讐が目的なら「本が不必要」ということ。
一体なぜ、本のストーリーに沿って殺人は行われたのでしょうか。
警察の捜査への挑戦状
リチャードは元警察官で、現場での鑑識や証拠品などをどのように取り扱うのか知っています。
リンカーンにより証拠捏造を暴き出され、リチャードはリンカーン個人だけでなく、警察組織全体も恨んでいると考えられます。
その上で、事件現場には少しだけ証拠を残し、警察がどこまで事件を辿れるのか試しているのです。
リチャードの思惑通り警察内部で捜査方針はブレ、互いに協力できない状況にすることができました。
警察を欺けばリンカーンが出てくるはず
リンカーンは警察内部でも優秀な刑事です。だから警察を欺くことができれば、リンカーンはいずれ出てくるとリチャードは考えます。
そうなれば、リンカーンとの一騎打ち。
殺人事件を本の通り進められれば、リンカーンの負けであり、リチャードの復讐は完了するのです。
リチャードにとって、唯一誤算だったのがアメリアがリンカーンに引けを取らないくらい優秀であったことでした。