このオペラを最後にしてそのあとはクリスティーヌと二人だけで歌おうと思っていたのです。
恐れながらも劇を続けるクリスティーヌですがもう誰も苦しめないでほしいと思う気持ちから仮面を剥がすのでした。
素顔の優しいあなたに戻ってほしいという意味を込めてだったのだと思います。
そのためならあの地下室で暮らしてもいいと思ったのかもしれません。
醜い顔のファントムにキスをした理由とは
再び地下室にきたクリスティーヌはウエディングドレスに着替えています。
ここで暮らす覚悟をしたのでしょうか。
しかしラウルが約束通り命をかけて助けに来てくれたことで自分を取り戻すことができました。
優しいファントムに戻ってほしかった
ずっと父親であり音楽の天使でもあってそして友達として見守ってくれていたとても大切な人だと思ってきました。
本当はこんなに残虐な人ではないし素晴らしい音楽を作ることができるはずなのです。
クリスティーヌは自分のせいで苦しんでいるファントムの姿も見たくはなかったのではないでしょうか。
仮面の下の顔が怖いのではない
決してその顔が怖くて怯えているのではなくその嫉妬に狂った心が怖いのだと。
そんな気持ちをわかってほしくてクリスティーヌはファントムにキスをしたのです。
あなたを愛しています。信じています。でもそれは恋人としての愛情ではないのだという気持ちも込めてなのでしょう。
ラウルからもらった指輪をファントムに渡したのは「この指輪を私だと思って持っていてね。」の意味がこもっています。
ラウルからもらった大事な指輪だけどそれは決して権力者だからとかお金持ちだから選んだわけではない。
幼いころからずっと好きだった人だからということを伝えたかったのです。
今は亡きクリスティーヌを思うラウルとファントム
この作品では現代がモノクロで過去がカラーの映像になっています。
クリスティーヌはオークションが行われる2年前に亡くなっていました。
クリスティーヌが生きていた時代がラウルとファントムにとって輝かしい時代だったのでしょう。
クリスティーヌの墓にて
クリスティーヌの墓にいつも聞かされていたという猿のオルゴールを供えます。
いつも一緒にいてくれた音楽の天使を忘れることがなかったのです。
クリスティーヌもラウルもファントムのことが心配だったのでしょう。
なぜファントムのバラが赤く染まったのか
お墓にはバラとクリスティーヌがファントムに渡したラウルからもらった指輪が先に置かれていました。
このシーンはミュージカルでは描かれていません。
オークション会場にはファントムを地下室に逃がしたマダムジリーもきていました。
きっと彼女の娘のメグがお墓に供えたのでしょう。
最後にモノクロだったバラが赤く染まります。
ファントムはクリスティーヌのもとへと旅立ったのかもしれません。