それを耳にしたことで、ギルは物語を通して変化することができました。

ゴッホの存在は“象徴”

では、なぜゴッホはギルの前に姿を見せ、彼の言葉を語らなかったのでしょうか。

それは、ゴッホの世間で通っているイメージが、あまりにもギル本人の状況とリンクしてしまうためです。

ゴッホが現れたら、ギルはきっと彼に同化してしまいます。

映画のポスターにあらわされているのは、今いる場所では幸せになれないと悩む彼の内面。

この映画でのゴッホの存在、そして『星月夜』の持つ役割は、不遇と孤独を感じる芸術家の象徴なのです。

憧れに生きてきたギルが、最後に選んだもの

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タイムスリップをして偉人たちに出会い、そして恋をしたギル。

真夜中のパリでの体験は、彼の人生にどのような影響を与えたのでしょうか。

小説の完成

まず、小説の完成を挙げておきましょう。

ギルが書いていたのはノスタルジーショップで働く男を主人公にした物語。

この主人公はギル本人の投影で、どうやらその筋書きも彼の身に起きたことを元にしているようです。

執筆に行き詰まっていたギルでしたが、偉人たちと過ごし、最後には小説を完成させました。

また、ヘミングウェイからの婚約者の浮気への指摘を聞き、ギルは自分で見過ごそうとしていた真実に気が付きます。

小説を完成させることはギルにとって、自身の人生を省みることでした。

自分が本当は何を望み、どのように人生を歩んで行きたいのか…。

小説を書き終え、1920年代から帰ってきたギル。

彼は、うまく行かない婚約者と別れ憧れの地パリに留まることを決意します。

今を選んだギル

ベル・エポックへのタイムスリップは、ギルとアドリアナの別れにもなりました。

ベル・エポックに留まろうとするアドリアナにこう言います。

「現在には不満を感じるものなんだ。なぜなら、人生って不満を感じるものだから」

出典元:『ミッドナイト・イン・パリ』 配給元:アルタ・フィルムス、ロングライド

ギルが憧れた1920年代を生きたアドリアナは、1890年代こそが黄金期だったと夢を見た。

そしてその1890年代では、今度はあのゴーギャンが、ルネッサンス期への憧れを口にしていました。

たとえかつて憧れた時代に生きることができたとしても、結局はまた同じ不満を感じることになる。

昔に留まろうとしても同じことの繰り返しだと、ギルは気が付いたのです。

だから彼は、自分の元いた時代へ戻り、未来へ進んでいくことを決めたのでした。

未来へ向かって生きるということ

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生きるとは、不満を抱えること。

しかし、その不足を補おうとするからこそ、人はより良い何かを得るために努力することができます。

そしてそのより良い何か、は決して過去にはありません

もしあるとすれば、それは進んでいく先。未来にしかないのです。

人生の大きな決断を下したギルは、ラストシーンで雨降るパリをノスタルジーショップで働く女性と歩みだします。

もしかしたら、その先にはまた行き詰まりや苦しみ、不満があるかもしれません。

けれど、それでも望む未来を求めて道を選び続けること。

それこそが、人生の喜びといえるのではないでしょうか。

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