残された人が越えなくてはいけない壁です。
葵の葛藤
劇中、俊介の死によって葵の中の時間が止まっているようなシーンが出てきます。
大切な人を突然亡くすということがどんなものなのか、残された者の切ない胸の内を感じる場面です。
この頃の葵は、現実を受け止めなければという気持ちが強かったのでしょう。
しかし、俊介の死そのものを受け入れられない…、そんな2つの感情に支配されてしまっているのです。
再会した友達の前で無意識的に俊介のことを口走ってしまうのは、まだ彼の死を受け入れ切れていない証ではないでしょうか。
溢れ出た本当の気持ち
想いが人を黄泉がえらせるのかなぁ
引用元:黄泉がえり/配給会社:東宝
平太の言葉に、突如走りだした葵の姿からは俊介に逢いたいという想いが溢れています。
葵はたしかに生き別れた恋人俊介を愛し続け、黄泉がえってほしいと願っていたのです。
描かれていた平太の心
東京で働く平太にとって、俊介の葬式以来の故郷への帰郷は仕事のみならず葵に会うためだったと考えられます。
複雑な心境
平太と葵、そして俊介の複雑な関係は、俊介を失ってからも続いているのでしょう。
ライティアの鉢植えを見つめる平太の表情…。
彼の中で死んだ俊介への思いはきっと複雑だったのでしょう。
平太は葵の中の俊介の存在の大きさを感じ、どうすればいいのかわからない、そのような葛藤を感じていたのはないでしょうか。
葵のことを愛しつつも、死んだ俊介の残した愛に抗うことは出来なかったのです。
平太の知った新事実
平太は中盤から後半にかけて大きな事実を知りました。
その時、彼は何を感じていたのでしょう。
平太が会っていた葵は一度あの世に逝った魂でした。
葵が黄泉がえったと知って以後、衝撃を受けた平太にも徐々に気持ちの変化が見てとれます。
葵に対してぶっきらぼうに構えていた平太が目つきや言葉尻、そして態度が優しくなっているのです。
おそらく自分の気持ちに素直になり、葵と向き合おうと考えたのではないでしょうか。
なぜ俊介は黄泉がえらなかったのか
葵の元恋人俊介は、なぜ黄泉がえらなかったのでしょう。
俊介の黄泉がえる条件は何度もすれ違っていたのです。
遺体の一部が圏内になかった
序盤から中盤まで葵は俊介のことを想い、黄泉がえりを望んでいました。
しかしそれでも俊介が黄泉がえらなかったのは、肉体の一部が阿蘇の特定エリアに残されていなかったからです。