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今回ご紹介する「ドラムライン」はスポーツ競技のハーフタイムに行われるマーチングバンドに情熱をささげる大学生の青春ストーリーです。

競技よりも盛り上がりを見せるマーチングバンドの圧巻のパフォーマンスは目を離せません!

重い楽器を持っての大迫力のパフォーマンスの裏には、それぞれの挫折成長が繊細に描かれています。

リー監督の信念である「one band.one sound.」を念頭に読み解いていくと、互いに影響しあっているチームとしての姿が見えてくるのです。

本記事ではネタバレを含みつつ、デヴォンが楽譜を学ぶ決心をした心情を徹底考察していきます。

また、ラストで監督がデヴォンを急遽出場させた理由についても考えてみましょう。

音楽映画とも青春映画とも違った魅力

音楽、青春、師弟関係と一見ありがちな青春ストーリーに見えますが、「ドラムライン」は他の音楽映画とも青春映画とも違った魅力があります。

それはストーリーの中で一貫して「デヴォンは天才であり、それを誰しもが認めている」ということです。

そのため、彼自身の実力やマーチングバンドのパフォーマンスではなく、チームの人間関係互いに及ぼす影響をストーリーの中心にしてるのです。

個々を成長させるのはチーム

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誰かが挫折をしたら、他の誰かは得をするのが世の常というものでしょう。

実際、ショーンにとってデヴォンは邪魔な存在だったはず。ですが、デヴォンがいなくなってもショーンが報われることはありませんでした。

監督に関しても同じことがいえるでしょう。

それがチームというもので「one band.one sound.(バンドは一つ、音楽も一つ。)」の本質と捉えられます。

家族という名のバンド

互いに影響しているのはバンドだけではありません。

デヴォンと彼の父親の関係も一種のバンドであるという見方もできるのではないでしょうか。

高校卒業の際、父親に向けた言葉から、父親は警察沙汰や女性関係の問題を起こし音楽を諦めたことがうかがえます。

一度は父親と同じような理由で同じように音楽を諦めかけたデヴォンが、父親からのテープをきっかけにまた音楽と向き合っていく。

そんなデヴォンを影ながら支えている母親の姿もありますね。

恐らく両親は離婚あるいは別居をしていると思われますが、離れていても家族というバンドの絆がそこにはあるのです。

優秀であるが故の問題

デヴォンがぶつかった壁

悩む男

例えば、高校では一番優秀だった主人公が、大学へ入ったらもっとレベルの高い人たちがいて一番になれなかった、という挫折であればどうでしょう。

おそらく主人公は一生懸命練習をして実力を磨くことでしょう。

天才が故のプレッシャーとの戦いやスランプ葛藤があるのであれば、それを乗り越える努力があります。

では、デヴォンがぶつかったは何だったのでしょう。

絶対的な自信と周囲からの評価

絶対的に自分の才能に自信があるデヴォンですが、その自信があだとなりバンドに一番大切な仲間への思いやりや協調性に欠ける一面があります。

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