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スタンリー・キューブリック監督の遺作「アイズワイドシャット」。
トム・クルーズとニコール・キッドマンが夫婦関係にある時期に撮られた映画としても話題になりました。
現実と妄想が交差するエロティックで難解な描写は、観る者の頭を悩ませます。正直よく分からなかったという人も多いのではないでしょうか。
特に謎のパーティーは何だったのか理解するのは難しいです。
このパーティーでビルを助けてくれたマンディは、なぜ身代わりになって死亡したのでしょうか。そして結局ビルが求めていたものとは何だったのか。
今回はこれらの謎について考察していきます。
2人のマンディ
ビルに命を救われたり、逆にビルが危機的状況の時に助けてくれたりと重要な役割をしているマンディ。
後に彼女は麻薬中毒で死んでしまったという説明をビルはジーグラーから受けました。
ビルが謎のパーティーで見たマンディは、本当にあの時に処置を施した麻薬中毒者のマンディだったのでしょうか。
現実と妄想のマンディは別もの
この映画は現実と妄想が混ざり合い、その境界線が曖昧です。ですからマンディも現実と妄想の両世界に存在したとみることができるでしょう。
例えば麻薬中毒で瀕死になった女性と、結局中毒で死んだ女性は現実世界のマンディ。
一方、謎のパーティーでビルを助けてくれたのが妄想世界のマンディです。
妄想世界のマンディとは
妄想世界に現れたマンディはビルにとってキーパーソンだったと思われます。
彼女がいなければビルはどんどん泥沼にハマってしまい、無事に現実世界に戻ってこれなかったでしょう。
彼女はビルを助けるためだけに登場したのです。
妄想世界はビルが作り上げた虚像ですから、そこには彼の意思が反映されているといえます。
ということは妄想世界のマンディもビルが作り上げたもので、彼の意思がマンディに反映されているのです。
では一体ビルの意思とは何だったのでしょうか。
ビルの意思
現状に満足して幸せな生活を送っている人なら、わざわざ妄想世界を作り上げる必要はないでしょう。
ですが逆にビルのようにストレスを抱え、解消法を知らない人は妄想にふける可能性があります。
そしてその妄想は彼の意思を汲み取るヒントになります。ではここからは彼が反映させた意思を解説していきます。
プライドとの戦い
妻からの衝撃的な告白に、ビルの男としてのプライドが傷つけられたことは間違いありません。