日記に祖父殺害について書いてあったことで、ナニーもジョセフィンの仕業のように錯覚させられたのです。
つまりジョセフィンは祖父もナニーも殺しておらず、本当に真犯人から狙われていたと考えていいでしょう。
自分の身が危ないのに、それを楽しむような発言はしないのが普通です。
しかしこの家の住人は誰しもがねじれてしまっているため、そんな常識は通用しません。
証拠は日記だけ
物証がないまま犯人をジョセフィンと確定するのは、乱暴すぎる気がしないでしょうか。
彼女はまだ12歳で、しかも「ねじれた家」に住んでいるのです。そんな少女の日記を鵜呑みにするは無理があると思います。
犯人のカムフラージュ
もしかしたら真犯人は以前からジョセフィンの日記を覗いていたのかもしれません。そして日記の内容に沿うように殺人を行った。
その結果ジョセフィンは「私は全てを見通せる」と思い込み、自分が狙われても恐怖を感じなかったのではないでしょうか。
これには真犯人もきっと苦笑いしたはずです。
真犯人は別にいる?
これはミステリーの女王アガサ・クリスティーが「最高傑作」と豪語している作品です。
それにも関わらず、犯人がジョセフィンである点が腑に落ちない人もいるのではないでしょうか。
確かにジョセフィンが犯人でもショッキングですが、本当はもっと「ねじれた答え」を用意してくれているのかもしれません。
イオニデス一族は全員ねじれた心を持っていて、個性派揃いです。しかし唯一ソフィアは常識人のように見えます。
彼女は自分が遺産相続人なのを知っていたので、祖父を殺す理由もありません。そのため真っ先に容疑者から外れることができます。
ですがそういう人物こそ犯人である可能性が高いのです。
真犯人はソフィア説
一代で大富豪に成り上がった祖父が遺産相続人に選んだのですから、ソフィアには祖父が一目置く何らかの素質があったのでしょう。
それは頭の良さかもしれませんし、ずる賢さかもしれません。同じタイプの人間であると感じていた可能性もあります。
またソフィアが真犯人だった場合、事件を起こす理由が複数考えられそうです。
日記に沿った犯行は、ソフィアへの疑いの眼差しを遮断してくれる効果も期待できたと思われます。
祖父の遺産
ソフィアの場合、わざわざ祖父を殺さなくても遺産の大半が手に入ります。そのため、他の住人の様に遺産目当てで殺したとは考えにくいです。
しかし視点を変えれば彼女も遺産目当てだったといえます。
祖父がダメ息子たちに援助すればするほどソフィアに入ってくる遺産は減ります。