ですがテューイ一家とふれあい、学校の先生に学び、今までなかった「誇り」を持って過ごす事を覚えたのです。
バカでも勇気は持てる。でも誇りがあるから人は頑張れる。
引用:しあわせの隠れ場所/配給会社:ワーナー・ブラザース
人生を誇れるようになったマイケルは、自信を持ち、自立し始めたのです。
これはテューイ家に引き取られなければ生まれなかった自我です。
マイケルの活躍に隠れている要素を汲み取る
マイケルは最終的にアメフトのスター選手として活躍しますが、それは本当に望んだ結果だったでしょうか。
マイケルの性質と、アメフト界隈を取り巻く情報を元に考察してみます。
ローレンス・テイラーの革命的なプレイ
マイケルのポジションであるレフトタックルの地位を押し上げたのはローレンス・テイラーという選手です。
彼のような選手がクオーターバックを狙うため、それを守るレフトタックルに大型で俊敏な選手を置く事が重要となりました。
映画のオープニングで、ローレンスが選手を再起不能にするタックルのシーンが有り、覚えている人も多いでしょう。
彼の存在が、因果となってマイケルをレフトタックルへと押し上げたともいえるのです。
マイケルは「はなのすきなうし」
「はなのすきなうし」は闘牛になりたい牛の間で一匹だけ花を嗅ぐのが好き、という変わりものの牛を描いた絵本です。
他の仲間とは一緒に行動せず、ゆっくりと花の匂いを嗅いでいるのがお気に入りで、闘牛に連れてこられても闘いません。
そんな優しい個性についての絵本を読んでもらったマイケルは、自分をそこに重ねたのではないでしょうか。
マイケルの心は闘えるのか
マイケルがアメフトを続けている理由は「家族を守る」という強い一念です。
これによって練習でも力を発揮し、試合ではマイケルを家族と言って守ったコーチに応ずるべく活躍しました。
この高い保護本能で上達していきますが、優しいマイケルですから、相手を傷つけたくないかもしれません。
アメフトも得意だからと続けていますが、本当は闘いたくないのかもと思うと、複雑な気持ちになります。
まとめ
本作の映画化でリー・アンを演じたサンドラ・ブロックはオスカーを獲得しました。
モデルとなったマイケル・オアーは近年、脳しんとうから回復できずにチームを解雇され、その後は引退した模様です。
アメフトという競技からはなれ、「はなのすきなうし」のように安らぐ場所で暮らしていくのでしょう。