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【海街diary(ネタバレ)】「海街」の意味を徹底解説!何気ない会話に癒されるのはなぜ?姉妹の暮らしに見飽きない理由とは

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0193ZKVSI/cinema-notes-22

 本作は『そして父になる』『万引き家族』の是枝裕和が脚本・監督・編集を務め2015年に公開されました。

原作は吉田秋生による同名の漫画で、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を獲得した作品です。

第39回日本アカデミー賞で『最優秀作品賞』『最優秀監督賞』などを受賞しその他の部門でもノミネートされました。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/作品名海街diary

三姉妹に綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆を起用し異母妹役の広瀬すずに至ってはその年の新人賞を総なめです。

カンヌ国際映画祭にも出品し、残念ながら受賞は逃しましたが上映後は幕が下りるまで拍手が鳴りやまないほどの好評を博します。

観るものに癒しを与え、原作者の吉田が映画の出来栄えに嫉妬したという本作の魅力を徹底考察していきましょう。

『海街』の意味とは

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『海街』という造語は単に海沿いの街という意味合いよりも深い感性を感じさせます。

サザンオールスターズの『はっぴいえんど』の歌い始めの歌詞も『海街』でしたが、何とも言えぬ背景を感じる不思議な言葉です。

三姉妹の住む極楽寺は、むしろ小高い丘にあって遠くに海を臨むような場所でした。

『漁村』や『港町』ではなく『海街』という言葉を使ったのにはどのような意味があったのでしょうか。

三姉妹にとっての『海街』

幸たちの家から海までは500mほどあり、道沿いも小高い山の切り通しでいつも海が見えるわけではありません。

しかし高台に登れば由比ヶ浜を見渡せますし、離れているとはいえ歩いて行ける距離に海はあります。

むしろ、海はいつも『そこにあるもの』で特別なものではないのです。

何か悩みがあれば海に行って考えを巡らせ、嬉しいことがあれば浜辺を歩いて噛みしめます。

生活の中の、『特別ではないけど大切な場所』それが三姉妹にとっての『海街・鎌倉』です。

すずにとっての『海街』

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すずは仙台で生まれ山形で暮らしています。

父親の葬儀で佳乃と千佳が降り立った駅は架空の場所ですが山形県の山間部という設定でした。

すずの『海街』は新しく暮らしていく環境を表しているのです。

今まで、色々な思いを自分の中に閉じ込めて我慢しながら生きてきたすずが微かな光を見たように感じられます。

『海街』を使った理由

彼女たちから感じる背景に原作者が『海街』という言葉を使った理由があります。

単に海のある風景が必要ならばもっと海沿いの『海と共に生きる』ような街を生活の場所に設定したはずです。

しかし本作での『海』は心地よい微妙な距離感を保っています。

その距離感が『港町』ではなく『海街』に感じられるニュアンスにぴったりなのです。

つまり本作の『海街』とは、「海と共に生きる街」ではなく、「生きていく傍に海がある街」という控えめな表現でしょう。

すずと海街

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すずは四姉妹の中では末っ子ですが一人っ子のように生きてきました。

山形で暮らすことになって義弟ができてもその孤独は変わりません。

そんなすずは三人の姉たちに『期待』や『不安』そして『うしろめたさ』を感じていました。

来たばかりの頃は敬語を使っていますが、いつから『本当の姉妹』と感じたのでしょうか。

『シラス丼』の嘘

すずが自分と父親のことや母親のことを話せなかったのは申し訳なく感じていたからです。

『シラス丼』が父の思い出の味の一つだと打ち明けたとき心の扉が一つ開いたのでしょう。

心の扉

花火大会から帰ったすずを三姉妹が浴衣を着て迎え一緒に庭で花火をしました。

風太たちと見た花火もきれいだったでしょうが、この時の花火は特別なものだったはずです。