ここで、1.2で前述したアーサーの言葉を思い出してください。
ミッチは今まで、目の前の勉強という課題や代々医者を受け継ぐ家系であるという呪縛に固執し、道化のように振舞うパッチを嫌っていました。
人に見えないものを見ようとするパッチを恐れていたのでしょう。
パッチに相談をしたこの背景には、ミッチが恐れを振り払い問題の奥底を見ようとしたという、8本の指の教訓が隠れているのではないでしょうか。
成績トップをどのように取ったのか
では果たしてパッチは勉強をして成績は良かったのか、はたまたカンニングをしたのでしょうか。
答えは、勉強をして成績トップを取ったと推測されます。
なぜそのようにいえるかというと、これまで考察してきた”物事の本質を見ようとする力”にあると考えられます。
この映画の中で、パッチはあえて異質に描かれていました。
それはまるで初めてアーサーと出会った時のように、傍から見ればさも変人であるかのような様子です。
しかし指のなぞなぞを解いて以降、私たちのアーサーを見る目は変わり、映画を観ていくにつれパッチの見方も変わってきたはずです。
また映画を観ていると、登場人物がパッチを見る目も変わっていたのがわかります。
アーサー、友人、附属病院の職員の方、医師会メンバー、そして「嫌いだ。」とまで言われたルームメイトのミッチまでパッチの味方になっていました。
推測ではありますが、パッチはクラスメイトのように暗記して勉強せず、臨床を通し教科書の内容をどのように活かすか実践的に学んだのではないでしょうか。
その成果が、トップクラスの成績として表れたと考えられます。
教科書に書いてあることを暗記することに加え、その先を考え学習した結果、カンニングを疑われる程に短時間で効率的に勉強できたのかもしれませんね。
まとめ
「パッチ・アダムス」について考察してきましたが、パッチの生き様はどのように目にうつりましたでしょうか。
この記事を読んで頂いた方の中にも、わかっていてもできないことや、あえて見て見ぬ振りをしてきたことがたくさんあるかと思います。
「自分にとって、また誰かにとって一番大切なことは何だろうか。」
目の前のことから一歩先にあることに目を凝らせば、おのずと本質は見えてくるはずです。
そうすれば、パッチのように少しぐらいひょうきん者でいられる余裕を持てるかもしれないですね。