カルマ(カーマ)とは日本では因果応報を指す言葉で、自分の行いは結局自分に跳ね返るという法則です。
これを発展させると、前世に悪いことをしたから今苦しい想いをしていると考えられます。
つまり輪廻転生と関連づけることができるのです。
それに加えてラストの写真がジャックが生まれ変わったことを暗に意味していると監督もインタビューでネタバレしています。
また作品中でも、トイレでグレイディがジャックに放つ次のセリフ。
あなたこそここの管理人です。ずっと昔から
引用:シャイニング/配給会社:ワーナー・ブラザーズ
これはジャックが輪廻転生していることを指しているのは明らかです。
ジャックは管理人として生まれ変わる運命なのでしょう。
殺人鬼としての運命を背負ったのだと考えると、彼はずっと妻子殺しを繰り返すことが推測できます。
つまりこの凶行は現世で終わることなく未来へ引き継がれるのです。
歌詞全体の内容
前世の行いによって現在の自分の運命が決まっていたら、どうあがいても無駄なように感じます。
カルマは救いようのない話に聞こえますが、実はそうではありません。
ジョン・レノンが歌詞に込めた「We All Shine On」には前向きなメッセージが込められています。
このフレーズは「運命は今すぐにでも一瞬で変えられる。みんな輝けるんだ」という意味があるのです。
「シャイニング」にはアメリカの暴力の歴史を二度と繰り返さないようにしようという想いが込められていたのだと推測できます。
写真にジャックが
ジャックが凍死し、この凄惨な事件が終わったようにみえました。しかしラストにある写真が映し出されます。
1921年と刻まれたその写真の中央にいる男は明らかにジャックでした。
閉じ込められた世界
この写真も解釈が分かれるところで、悪霊によってジャックが異世界に閉じ込められたとみる人は多かったのではないでしょうか。
悪霊はホテルに来た人間を自分たちの世界に引きずり込むために悪さをしていたように見えます。
そしてその罠にかかった人間は写真に残る。
そう考えると、ジャックだけでなく写真に載っていた人達はみんな被害者なのかもしれません。
輪廻転生
異世界に閉じ込められた説とは別にもう1つ解釈があります。
映画のタイトルから導き出された「輪廻転生」というワードをここで適用するというのもです。
つまり写真の男がジャックの前世であり、この男が現代に生まれ落ちたことでまた殺戮を繰り返した。
その男は生まれ変わってもホテルの管理人であり、妻子を殺す運命なのです。
写真の男はジャックではなく、初代のホテルの管理人だったのではないでしょうか。
ジャックが死んだことでまた新たな命が誕生し、その人物もこのホテルで殺人をするはずです。
鏡が持つ特別な意味とは
この映画では鏡を使ったシーンが度々登場します。鏡は一体何を表しているのでしょうか。
鏡にまつわる迷信や言い伝えは世界中にあることをご存知でしょうか。
日本では3種の神器の1つとして八咫鏡(やたのかがみ)があり、鏡が遥か昔から神聖なものだったことが分かります。