それはアイバン並びに彼の赤い車が本当はトレバーの潜在意識の具象化だったからではないでしょうか。
そしてそれが同時にアイバンの正体の大きなヒントにもなっているのです。
鏡写しの関係
ナンバープレートの反転から読み取れるアイバンの正体、それはトレバーの「心の悪」の具象化です。
実際劇中終盤でアイバンはトレバーの罪の意識が生み出した幻想の存在だと判明します。
これは同時にトレバーが自身の罪と向き合わないといかず、でも向き合えなかったことの証明でもありましょう。
きっとそうした「無意識の内に逃げ回っていたもの」としてアイバンはトレバーを苦しめるのです。
だからこそ、トレバーはそんな彼が「鏡写し」だと気付いて、そこから逃げたのでしょう。
アイバンとはそういう意味で無意識に切り捨ててしまっていたもう一人のトレバーだといえます。
パズルの意味
そしてもう一つ、本作を取り巻く重要な要素は随所に隠されたパズルのピースです。
これらもまた「マシニスト」の本質に迫る為の手がかりなのでしっかり読み解いてみましょう。
数字に込められた意味
「マシニスト」のパズルで一番目立つのはやはり「数字」に込められた意味です。
上記の「NRC347」もそうですが、本作は「数字」を物語を読み解くヒントとして象徴的に用いています。
勿論その中にもそれぞれ意味があるのですが、これらは決して無意味に組まれたものではありません。
この数字の謎を解いていくことで、同時にトレバーの抱える謎、罪の真相も明確になります。
中でも「1:30」と「ルート666」は非常に大きな鍵を握ります。
「1:30」という時刻の意味
「マシニスト」では1:30がトレバーの最大のトラウマである「交通事故を起こした時間」として用いられています。
しかし、ここにはもう一つ大きな意味があったのです。
それは「:」を取っ払った「130」という数字自体がエンジェルナンバーとして極めて重要なメッセージを持っているということです。
どういうことかというと「130」には「大いなる創造力の女性的な面がその活動をサポートしてくれる」という意味があります。
これを本作の解釈に置換すると、交通事故を起こした時間が実はトレバーに自身の罪と罰に向き合うことをサポートしているともいえます。
だからこそ、日本の「丑三つ時」とも違うこの「1:30」という数字をヒントとして残したのではないでしょうか。
ルート666の意味
そしてもう一つ、数字を語る上で大事な「ルート666」にも勿論大きな意味があります。
これは「ヨハネの黙示録」におけるこの数字が「不吉な数字」「世界を影から支配する数字」であるということです。
遊園地のルート666が意味するものは決して良いものではなく、寧ろトレバーの不吉さを解き明かしてしまうことになります。
これは即ちトレバーが犯してしまった罪の重さが余りにも深すぎる事への証左でありましょう。
二人の女性
「マシニスト」ではトレバーにとって大事なスティービーとマリアという二人の女性が登場します。
この二人の女性には一体どのような役割があったのでしょうか?