そして否応なしに気持ちは引きずられていきます。
過去に引き戻されてしまうといった方が良いでしょうか。
この度重なる偶然の意味は何なのでしょう。
人は運命のサインに導かれて行動する、と信じているサラ。
そしてジョナサンも次々とおこる偶然のサインに導かれていきます。
サラとジョナサンはお互いを想う感情を消すことが出来ません。
なぜ結婚寸前までお互いを探さなかったのか
お互いの恋人の存在
サラとジョナサンの2人が出会ったときに強烈に惹かれ合ったのは事実です。
しかしながら、2人ともお互いの恋人への気持ちが大きかったのもまた事実。
その気持ちはやはり愛でしょう。
恋人のことを愛していたから、他の人に惹かれたあの日のことは心の奥底にしまうことが出来た。
そうして数年間、お互いの恋人と過ごして来たのでしょう。
ジョナサンとハリーも、サラとラースもお互い確かに愛し合っています。
あの日、ジョナサンとサラが出会わなければお互いにハリーと、そしてラースと結婚していたはずです。
ジョナサンとサラの結婚前の気持ち
優しくて魅力的なラース、けれどもサラの仕事の都合を考えず新婚旅行を自分のツアーに合わせようとする。
知的で美しいハリーを愛しているけれど、何かが違うと感じているジョナサン。
たとえ愛する相手であっても、少しの不安やズレを感じることもあるでしょう。
ジョナサンはハリーに対して、サラはラースに対して小さなズレを感じています。
それは、もしかすると普段から感じていたことかも知れません。
しかし、結婚を意識するようになってさらに大きくなってきた感情ではないでしょうか。
結婚すると、日々の暮らしのパターンは変わってしまうでしょう。
相手の家族との関係、あらゆるものが自分1人で生活していたときとは変わるもの。
結婚するということはそういう気持ちも、変化する状況もすべて2人で乗り越えて歩んでいくことです。
けれども、ジョナサンとサラはハリーやラースに対してそれほどの情熱を感じられないでいる。
お互いに自分の恋人への気持ちよりも、あの日の彼女そして彼を求める気持ちが強くなっているのです。
結婚を前にして出て来た小さなズレがサラとジョナサンを過去の出会いに向かわせた部分もあるはずです。
探さずにはいられない
ジョナサンもサラも出会ったときを思い出し、相手を探さずにはいられない気持ちになります。
結婚寸前だというのに、いえ結婚寸前だからこそあふれ出す情熱をおさえることが出来なかったのです。
このまま結婚してしまうことは出来ない。