出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B017TR3M9M/?tag=cinema-notes-22
子育て中の人、子育てを終えた人、人を育てる人など「育成者」にはいろいろいますが、人を育てるとはいったいどういうことなのでしょうか?
親、先生、先輩、上司…そして、「師匠」などいろいろいますが、その彼らも誰かに育てられた一人でしかありません。
2015年7月公開の「バケモノの子」は監督 細田守、声の主演 宮崎あおい、染谷将太、役所広司です。
スペインで2015年9月に開催された第63回サン・セバスティアン国際映画祭に、アニメーション映画として初めてコンペティション部門に選出。
しかし、受賞には至りませんでした。
第33回ゴールデングロス賞(2015年)日本映画部門・優秀銀賞受賞、第39回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞受賞
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/バケモノの子
「バケモノの子」に出てくる九太と熊徹の師弟関係から見える心の成長と、誰でも抱えている心の闇の正体と向き合い方について考察します。
大人の都合で子供は育ち、闇も生む
両親の離婚の理由もわかりませんし、9歳で母親を亡くすまで蓮(九太)はどのように育てられたのかもわかりません。
母親は女手一人で九太を育てますが写真ではとても優しそうな人です。本当の九太はどんな少年に育ったのでしょう。
親戚の引き取りを拒み逃げるように渋谷の街をさまよい、偶然迷い込んだ「渋天街」では不愛想で生意気な子供でした。
楓の場合
楓は両親の幸せのために親の期待に応えるために勉強をし、そのわりに両親は楓のことを理解していない。
その寂しさにどうしようもなく苦しくなる時があると話します。
しかし、彼女がこう冷静に考えられたのは両親が勉強をする機会を与え、深い知識が得られたからでしょう。
一郎彦の場合
猪王山に拾われ「人間」であることを隠されたまま育ち、「バケモノの子」だと信じたいあまりに不信感から心の闇を深く成長しました。
尊敬する父親に少しでも近づきたいまたは、同じになりたいという気持ちが心を歪めていきました。
似たもの同士の師弟
熊徹は自分一人で強くなり強くなってしまった男ですが、それでも一人きりだったわけではありません。宗師や多々良、百秋坊らがいました。
九太もまた一人きりで誰の言うことも聞かない生意気な子供でしたが、誰も熊徹を応援しなくても戦い続ける姿に「強さ」を見たのでしょう。
九太は一人ぼっちの熊徹に自分を重ね合わせて、自分も熊徹のように強くなれかもしれないと思えたのです。二人は似た者同士の師弟関係ですね。
心の中の剣
出会ってすぐに熊徹は九太に剣術の稽古をつけようとした時、どう教えてよいのか分からずしまいにはこう言います。
「胸ん中の剣があるだろうがよ!ここんとこによ!ここんとこに!」
「ねぇよ、そんなもん」